国産のアスパラガスは南北に長い日本の特徴から、産地が徐々に北上していきます。
2月後半くらいから九州等で出始め、4月頃から徐々に多くの産地のものが出始めます。
そして6月頃になると北海道産のものが多くなります。
もちろん、産地に関しては各農家さんの企業努力により、ハウスの活用や品種を入れ替えたりしながら早い時期から又は遅い時期まで出荷できるように工夫されているので一概には言えませんが、これから国産のアスパラガスが美味しくなる事は確かです。
旬の野菜は出荷量が多くお値段もお手頃になりますし、グリーンアスパラガスは行楽シーズンのお弁当等でも鮮やかなグリーンが映えますし、癖がなく食べやすい人気の野菜ですね。
アスパラガスはビタミンA、B1、B2、Cが豊富です。また野菜の中ではタンパク質と糖質が多いのが特徴です。
栄養ドリンク等でお聞きになった事があると思います、名前の由来となったアスパラギン酸を含んでいます。
アスパラギン酸は新陳代謝を高め、スタミナ強化に有効で疲労回復を早める作用があります。
また高血圧を予防するルチンも含んでいます。ルチンには血管を丈夫にしたり、壊れやすくなった血管を修復して血液の流れをよくする働きがあり、血圧を下げる働きがあります。
アスパラギン酸もルチンも、アスパラガスの穂先に多く含まれています。
みなさん、アスパラガスを生で食べた事はありますか?
実は私の店では、よくアスパラガスを生でご提供するのですが「アスパラガスって生で食べられるの?」とお客様によく聞かれます。
「生で食べられるんですよ!」もちろん鮮度が良いの大前提ですが、直売所や最近はスーパー等でも朝採れなんて表示の野菜も出ている事がありますので、そんな時にはまず生で召し上がってみてはいかがでしょうか?
実はアスパラギン酸は熱に弱いですし、ビタミンCも熱に弱いんです。ですからなるべく生に近い状態で食べて頂くのがいいと思うのです。
とは言え、つねに鮮度が良いものばかり手に入らない事もありますよね。ですから、調理する場合は短時間でサッとを心がけましょう。
根本のどこまで食べられるのか分からないと言われる事も多いのですが、根本1cmくらいのところで折ってみましょう。ポキッと自然に折れたら、そこより上はやわらかく食べられます。
鮮度が良ければ、ハカマを取らなくても大丈夫ですが、筋が気になる場合はピーラーで軽く剥いてもいいです。
栄養を考えると蒸す方がいいのですが、茹でる場合は塩を入れ1分くらいで早めだなと思うくらいであげて、水にさらさずに、ざるなどに広げてあおいで冷ます方が風味が良く仕上がります。
水溶性のビタミンの流失も少なくなります。
そのまま食べても、和え物にしても、歯ごたえがよく美味しく召し上がれます。
コツはサッと調理です。
次回はホワイトやパープル等の珍しい品種のお話や、こだわりの農家さんのお話をさせて頂きます。