【人生100年時代の健康維持】医師が解説!眠気を甘くみてはいけない?医師が伝える「睡眠時無呼吸症候群」の恐ろしさ。

良質で適度な睡眠が長寿のカギを握っています。 最近、よくその名を耳にするようになった「睡眠時無呼吸症候群」。 しっかりと睡眠をとっているけど、あまり熟睡できていない気がする・・・ あなたは大丈夫でしょうか?
2019/05/25

睡眠時無呼吸って?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、
簡単にいえば眠っている間に
呼吸が止まってしまう病気です。

 

通常英語の頭文字をとってSAS(サス)と呼ばれます。

 

寝ている間には全く自覚症状がないので、
多くの方が自分の無呼吸症候群に
気づいていらっしゃらない可能性があります。

 

軽い人では数秒の無呼吸ですが、
重症な方になると30秒から
なんと1分近くも無呼吸でいることもあります。

 

最近では、睡眠時無呼吸症候群の
詳細が分かるサイトもあります。

 

参考サイト:無呼吸なおそう.com

睡眠時無呼吸症候群の症状

症状としては、昼間の強い眠気が典型的です。

 

夜、十分睡眠をとったつもりなのに
昼間にすっきりしない場合、
潜在的な無呼吸症候群かもしれません。

 

すっきりしないばかりか、
いつの間にか昼間の会議中に居眠りしてしまう、
運転中につい意識が飛んでしまったなどあります。

 

往々にしてちょっとした眠気だけ
ということで見過ごされがちな症状です。

 

そのほかの症状としては、朝起きたときに口が乾いている、
熟睡感がない、夜中になんども目がさめる、
なども睡眠時無呼吸症候群を疑わせます。

睡眠時無呼吸症候群がもたらす危険

睡眠時無呼吸は、タバコを吸う方、
寝る前にアルコールを飲まれる方、
太り気味の方、高血圧や高コレステロールなどの
生活習慣病のある方に多く見られます。

 

睡眠時無呼吸は昼間に眠いという症状だけでなく、
夜間血圧上昇を引き起こす関係で
高血圧を進行させやすくなります。

 

朝方の著明な高血圧で脳卒中や
心筋梗塞などを引き起こしかねません。

 

ご心配であれば、是非かかりつけ医への
早期受診をお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療

検査方法としては、簡易検査として夜間の酸素濃度や
呼吸状態を簡単に計測できる検査を
自宅に持ち帰ることができる検査があります。

 

当院でもこの検査を行っている方は多数いらっしゃいます。
また、精密検査として一泊病院に入院して行う
睡眠ポリグラフィ(PSG)検査を行うこともあります。

 

治療法としては、重症な睡眠時無呼吸症だった場合、
夜に特殊な呼吸機器を取り付けて、
いわば鼻マスクのような形で空気を送り込む機械、
CPAPという治療法が適応です。

 

これを使うことで、夜間の無呼吸が改善され、
昼間の眠気が劇的に改善するようです。

 

眠気を甘く見ると、将来取り返しのつかないことになりかねません。

 

少しでも怪しいなと思ったら、病院へご相談されることをオススメします。

睡眠時無呼吸症候群における循環器専門医の役割

多くの睡眠時無呼吸症候群の方は生活習慣病の合併が見られます。

 

高血圧をはじめとして、脂質異常、高コレステロール、
高中性脂肪、糖尿病、耐糖能異常、高尿酸血症、肥満など。

 

これらはいずれもが重篤な循環器疾患をひきおこします。
心筋梗塞や脳卒中はその典型と言えます。

 

ですから、睡眠時無呼吸症候群を抱えている方は
動脈硬化のチェック、血管の詰まり具合、硬さの具合などを
一緒に定期的にチェックしていく必要があります。