若い人は、臨場感のあるリアルな講演会やセミナーを欲している
今日、私たちの身の回りを見渡すと、さまざまなモノが溢れています。
私たちは、これまでモノをあれこれと欲求してきました。そして、モノを手に入れたことで、物欲はいちおうは満足します。
しかし、いくらモノを購入しても、精神的な「安定欲求」、「成長欲求」、「つながり欲求」は満たされることはありません。こうした、次の次元の「欲求」はなかなか満たされないのです。
私が講師をしていてよく感じるのは、今の若い人たちの「つながり欲求」です。
若いビジネスマンの方々は男女の区別無く、この欲求が強いように感じます。
たとえば、金曜日の午後6時30分からのセミナーに参加してくる若いビジネスマンのみなさんは、書籍も読むが、それよりも講師の話を直接聴きたいとか、同じ目的で集まった受講生同士で中区良くなりたいという思いがあるように感じます。
人の寿命がどんどん延びて、自由に使える時間がますます増えています。
このあり余る時間は、いったい何に費やされるのでしょうか。また、年齢を問わず、人はどのようにして、湧き起こる興味・関心や好奇心を満たそうとしているのでしょうか。
自分の人生の後半で、あり余るほどの自由時間があることに気付いた大人たちは、「ずっとやってみたいと思っていたことをまず勉強したい、体験したい」、「試験のために勉強していたあの分野を、今度はゆっくりと学びたい」、「前から興味や関心があったことをじっくり学びたい」と思うようになってきたのです。
講師になるには
講師になるのに資格も元手もオフィスも必要ない
通常、定年後に何か起業しようと考えた場合、当然初期投資が必要になります。
ところが、「講師」としてデビューする場合、あなたの身体ひとつではじめることができます。つまり、元手も資格も何も要らないのです。
あなたの話を聞きたいとしう受講者は、あなた自身これまでの経験にもとづいた知見から紡ぎ出された話やアドバイスを聞きたいと思っているのです。
彼らは、立派なオフィスやきらびやかなパンフレットを欲しているわけではないのです。
ですから、「講師デビュー」をするにあたって、あなたがやるべきこととは「講演のネタ」を考えることと、「名刺」を作ることくらいです。
講演やセミナーのテーマは、あなたの頭の中から持ってくればいいだけなのです。
またオフィスを借りる必要もありません。自宅で十分です。携帯電話さえあればいいのです。資格も不要であることは、前にも述べた通りです。
定年後に巨額な投資をすることは大きなリスクです。
ところが、「講師デビュー」するのに元手は必要ないのです。これは非常におおきなプラスポイントでしょう。
一番大切なのは「マインド」
講演会やセミナーを上手にやろうと考えると、最初はコンテンツやその組み立て方に意識がいくものです。
しかし、受講する側の立場からすると、講師がどのような気持ちを持って話してくれるのか、どれだけ受講者に注意をむけてくれているか、どれだけ熱い心を持って話してくれるのか、といったことのほうが大切と感じるものです。
広い世の中で、たまたま一人の講師と受講者が同じ時間、同じ場所を共有するのです。セミナーの進行スキルよりも、どのようなセミナーをしたいのかという気持ちこそが重要になってきます。
そのような気持ちや姿勢は、セミナー当日の開始前から現れてくるものです。
たとえば、その日はじめて会場に来ていただいた受講者を、どのように迎えればいいのか、という心が行動に表れます。
具体的に言うと、入ってきた受講者一人ひとりに声をかけていく、ということなどです。
声をかけられた受講者は、一瞬びっくりするようですが、すぐに気がつきます。
自分は歓迎されていると感じて、すぐに笑顔を返してくれるのでしょう。
気持ちしだいでセミナーは成功する
ザイアンスの法則を利用する
心理学では「ザイアンスの法則」というものがあります。簡単に言うと、次のような法則です。
・人は、知らない人に対しては「攻撃的」「冷淡」な反応を示す
・人は、会えば会うほどその相手に対して「好感」を持つようになる
・人は、相手の内面的な部分を垣間見たとき、さらに「好感」を持つ
とくに、あなたが「講師デビュー」をする日は、あなた自身もかなり緊張しているはずです。
そんなとき、ぜひこの「ザイアンスの法則」を思い出して、これから述べるアクションを取ってみてください。きっと、緊張が解けて受講される方々と気持ちが通じ合い、セミナーもうまくいくはずです。
受講される方々は、会場に入るや否や、講師のあなたから声をかけてもらったことでうれしくなるでしょう。
おもてなし感が感じられるからです。
そして、この後受講するセミナーに対するモチベーションもアップするのです。
では、セミナー当日にできる「おもてなし」を2つご紹介しましょう。
① なるべく早めに会場に行って待機し、入ってくる受講者一人ひとりに声をかける
どんな言葉をかけるのかというと、「おはようございます!」「こんにちは!」でいいのです。
必要なことは、一人ひとりに対して、あなたから個別に声をかけるということです。
受講者は、講師であるあなたから声を直接かけられたことで気持ちがウキウキしてきて、「よし。真剣に講義をうけよう!」と思うはずです。
② セミナー中の休憩時間や終わった直後などに、受講者の中に自分から入って行って積極的に声をかける
この場合も、他愛のない内容でいいのです。たとえば、「いかがですか?わかりましたか?」とか「熱心に聞いていただいていましたね。
ありがとうございます。」、「今日はいい天気でよかったです。」など、何でもいいのです。
大切なのは、受講者に対してあなたから先に声をかけていくというアクションなのです。
ネームプレートがあれば、ぜひ「名前」で呼びかけてあげてください。あなたに対する親近感が増すはずです。
あなたと話したことが、セミナーの内容や記憶を、後々まで残していくことにつながるのです。
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