【人生100年時代の働き方】人生後半に講師デビュー!オンリーワンテーマを決めて、講演の中身を整える。

人生100年時代、これまでの仕事で培ってきた経験や業界知識を活かして、人生の後半をもっと充実させませんか? ベテランサラリーマンであれば誰でも必ずなれる「講師」になって稼ぐ方法からお話していきたいと思います。「講師でデビュー!」する方法です。
2019/09/02

知識や経験に自分が伝えたい「思い」をドッキングさせる

想いをドッキング

コーチングでは、重要な要素のひとつに「肯定」という考え方があることをお伝えしましたが、もうひとつ、研修の中で私がお伝えする事例があります。

 

それは、「感謝」という「肯定」の中のひとつの行為を説明する際に、参加者にお伝えしている事例です。それは、偶然テレビ番組を見ていて発見したことです。

 

以前、NHKの「プロフェッショナル」という番組を見ていた時でした。

 

1回の手術時間が9時間にも及ぶ非常に困難な大手術をヘトヘトになりながらも、毎日毎日続けている脳外科医の話に、司会の茂木健一郎さんが耳を傾けている時でした。

 

脳外科医に茂木健一郎さんが尋ねました。

 

「なぜ、そんなにしんどい大手術ばかりをするんですか?」

すると、脳外科医は次のように答えたのです。

 

「手術が終った後に患者さんから“ありがとう”と言われるからです」と。

 

あまりにも素朴で無防備な返事にも驚きましたが、その脳外科医は本音を口にしていたのです。

 

人から「感謝」されるということは、自分自身が「肯定」されているという証であるのです。

 

「感謝」は、「肯定」することの中のひとつでもあるからです。

 

「感謝」されるということは、自分が存在しているということを他人が認めてくれている証だということです。

 

人に「感謝」されることで、自分で自分の存在を肯定することができます。

 

「私は、これでいいんだ」と確認できます。

 

自分で自分を認めることができるという感覚は、私たちが生きていく上で非常に大切なことです。

 

自分の「今」を肯定できると、「未来」に新たな一歩を踏み出す勇気が湧いてくるからです。

 

患者さんからの、心からの「感謝」を貰うことで、脳外科医は強い自己肯定感を抱くことができていたのだと思います。

 

そのことが、次の困難な大手術に立ち向かう意欲と勇気の源泉になっていたという話です。

 

テレビ番組も、最近はドキュメンタリー番組が多くなってきていますから、このように、人の気持ちの動きを映像であるがままに撮っていることがあるのです。

 

こんな場面を見ることができれば、知識の「裏付け」ができます。

 

自分一人では、到底知りえない事実を知ることができるということは、とても大事なことだと思います。

 

間接的に講師から聞くことで、参加者も知識に深みが加わります。そして長く記憶に残るはずです。

 

同じように、あなたの持っている知識や知見を、普段の生活の中で見聞きしたことに、あなたが一番伝えたいと思っている「思い」をドッキングさせて、聞き手に強く印象づけてください。

 

なお、拙著「定年前後の人のための講師デビュー入門」(同文館出版)には、特別付録として「自分だけのテーマがすぐ見つかる!一発検索オンリーワンテーマ発掘チャート!」が盛り込まれています。

 

ご興味のある方は一度活用してみてください。

 

講演のジャンルやテーマを絞り込む

オンリーワンのテーマを見つける

「オンリーワンテーマ発掘チャート」で出てきた「テーマ」というのは、あなたが、これまで最も親しんできた分野、最も時間をかけて培ってきたジャンル、最も興味関心のある領域であると思います。

 

「講師デビュー」にあたっての最初の講演テーマやセミナーテーマは、あなたの一番近いところにあった事柄に関するものが最適なのです。

 

なぜなら、あなたは既にそのジャンル、そのテーマに最も「詳しい」からです。

 

詳しいということは、深く掘り下げている知識があるということです。そのテーマに関して、いろいろ経験をしてきたということです。

 

他の人が知らないようなところまで知っているということであり、十分に話ができるということなのです。

 

最近では、私たちの嗜好の多様化に伴って、講師の専門分野も多種多様化してきています。

 

それは7章の2「こんなにいろいろ!バラエティ豊かな講師の肩書き」で実際に講師の肩書きを紹介していますが、これだけいろいろな講師が存在しているということです。

 

あなたが、これから講師デビューするにあたっては、このテーマ、この分野なら私に任せてくださいと言える分野を持たなくてはなりません。

 

それが既存講師との差別化となるわけです。

 

この差別化が、あなたに依頼が来るための前提条件でもあるのです。

 

ここで疑問が出てくるかもしれません。専門テーマを絞り込むと、対象受講者が狭まるから結果的に来る依頼が少なくなるのではないか、という不安です。

 

このような不安感は、どちらかというと中小企業診断士や税理士、弁護士、社会保険労務士の方々が強く感じているものです。

 

それは、ある専門分野に特化してしまうと、それ以外の分野については詳しくないのではないかと思われてしまい、依頼数が限られてしまうのではないかという不安です。

 

それが、今日では「逆」になっているのです。幅広い分野を守備範囲としていると、広くても浅い知識ではないかと思われてしまい、逆にアピールしないという現象が起きているのです。

 

それよりも、この分野には非常に強いとか、私の専門分野はこれです、というようにピンポイントで提示してしまうほうが、聞きたいと思っている人に強くアピールするのです。

 

なぜかというと、ピンポイントで示されると、「あっ!これはオレのことだ」「これって私のことだわ」と感じる人が必ず現れるからです。ピンポイントで示せば示すほど、「ある!ある!」、「そうそう!そうなんだ」となり、「この講師の話、聞きたい!」となるのです。

 

講師デビューにあたってのポイントは、自分の専門ジャンルやテーマを徹底的に絞り込むという視点です。

 

あなただけの「オンリーワンのテーマ」が見つかりましたか?