購入してはいけない物件を、具体的に解説します
前回の反響で、
「どんな売却理由なら、物件を購入してはいけないですか?」
「具体的にはどんな物件を購入してはいけないですか?」
と質問が届きましたので、お答えします。
前回はまずは、しっかり売却理由を聞きましょう!
ということをお伝えしました。
「そんなことを聞いていいのですか?」
「そんなの教えてくれるのですか?」
というご質問も、きましたが、
もちろん仲介業者さんに聞いていいですし、
ちゃんと売り主さんに確認して、回答してくれます。
前回の話でも、例として挙げましたが
相場より大幅に、プリウスが安かったら、
なんでこんな安いんですかって聞くのと同じです。
例えばですが、
相場より大幅に安い価格で
賃貸マンションが売っていたら、
もしかすると、人が死んでいるかもしれません。
それならそうで、納得です。
ちなみに、少々脱線しますが、もしそんな物件があった場合、
私はむしろ積極的に検討します。
なぜなら、ちょっとした事故、自殺程度であれば、
さほど賃貸に影響は無いからです。
最近あった、私が指導している方の事例
最近あった、私が指導している方の事例ですが、
30戸の賃貸マンションを検討していたのですが、
6戸空室で、そのうちの1戸が自殺した部屋で、
心理的瑕疵がある物件でした。
その分、元々かなり利回りが高く、
さらに価格交渉ができたので、
相場より、恐らく3割ほど安く買える物件でした。
しかしながら、その方はとても心配していて、
その心理的瑕疵がある部屋が気になって、
購入を躊躇していました。
そこで、私は、
「●●さんが買わないなら、私が買いますよ」
とお伝えしました。
そして、
「その心理的瑕疵がある部屋は、半額で募集したらいいですよ。
恐らく、空室になっている6戸中、一番早く入居が決まると思いますよ。」
とも伝えました。
その言葉に後押しされた彼は、勇気を持って購入に踏み切りました。
そして、購入して、2週間後に彼から連絡があり、
「村田さんが言ったとおり、一番最初にアノ部屋が埋まりました!」
とのことでした。
ちなみに、アノ部屋に入居したのは、20歳過ぎの若い女性だそうです。
(安く住めるなら気にしないとのこと)
ちなみに、
収入面でどれくらいの影響があったと思いますか?
今回のケースだと、30戸のうちの1戸です。
仮に1戸が一生埋まらないとしても、
影響度は、1/30ですので、3.3%です。
半額で入居するなら、たった1.7%です。
収入に、ほとんど影響はありません。
それに対し、物件価格は約30%も安くなった訳ですから
とてもお買い得でした。
心理的瑕疵があるということを、気にさえしなければ。
心理的瑕疵がある物件の、投資家としての見方
つまり、
何を私が伝えたいかと言いますと、
心理的瑕疵がある物件の投資家としての見方は、
・自分が住むのではない。
・実は影響はとても小さい。
・大幅に安く買える可能性がある。
ので、
かなりのチャンスと言えます。
繰り返しますが、
心理的瑕疵があるということを気にしなければですが。
余談ですが、長期的に見れば
心理的瑕疵がある物件を持っていなくても
所有物件に事故事件が発生し、
心理的瑕疵のある物件になってしまうことも
十分考えられます。
一定確率で発生しますので、
心理的瑕疵が生じてしまうリスクは、
賃貸経営をする以上は、避けられないことです。
事件事故は、ほとんど影響はないと考えてよい
私は14年も賃貸経営に携わっていますし、
所有物件も500戸を超えます。
自分が所有している物件で、
そのような、事件事故が発生したこともあります。
ですが、全く影響は無かったです。
最近だと、「座間9遺体事件」が記憶に新しいですが、
あのアパートがその後どうなったかご存じでしょうか?
全空になったのでしょうか?
この記事を読んでいる方であれば、あんな凄惨な事件があったら、
一刻も早くそのアパートから出たいと思うのではないでしょうか?
私だってそうです。一秒だって居たくありません。
その後、あのアパートから
あの事件を理由に退去した人は、何人居たと思いますか?
5人でしょうか?
10人でしょうか?
答えは、
ゼロだったようです。
ゼロです!
誰も退去しなかったのです。
聞いた話によると、あのアパートは、
住人に格安で部屋を貸していたとのことなので
全員他に移るより、このまま住みたいと
思ったのではないでしょうか。
要するに、自分が基準ではなく
市場でニーズがあるかの方が重要なのです。
世の中には、以前人が死んでいても、
全く気にしない人がいるのです。
では、本題の「購入してはいけない物件」とは?
心理的瑕疵がある物件を例にご説明しましたが、
では、本題の「購入してはいけない物件」とは、
どんな物件なのでしょう?
それは、
・満室にならない物件
・大幅に修繕費が掛かり過ぎてコストが合わない物件
です。
心理的瑕疵があっても
空室が多くてもたいした問題ではありません。
その後、満室経営ができるなら。
満室にならないケースとして、よくある事例としては、
大学や大手の工場が移転してしまい、
そのエリアの賃貸市場が
完全に破壊されてしまっている場合です。
キャノンが移転してしまった、
大分県の杵築市が代表格ですね。
修繕費用が高額過ぎて、コストが合わないケースは
外壁塗装や屋上防水がズタボロで、
すぐにでも修繕しないといけないような場合は
これに該当する可能性があります。
大きなコストがすぐに掛かる場合は、
その費用も物件価格に加えて考える必要があります。
逆に言いますと、
原則この2点をチェックすれば、大失敗は防げます。
購入する場合は、しっかりチェックしてください。