自分が持つ美
確かに美は主観ですが一〇人の人がいた場合に、六人がその人を美しいと認めたとすれば、その人は、「美しい人」「カッコいい男」と評価の差により客観的に認められます。
魅力的であることとは、自分が持つ美をどれだけ客観的に持てるかです。
古来東洋では、「美感のあるところに正しき生活あり」と言われました。
西洋のプラトンは、自己の哲学を一口に示すと「美の教え」であると言っています。ゲーテも言いました。
「美は芸術の究極の原理であり、最高の目的。それは美が生命に内在する究極の美質を示すしるしであり、目に映える『証し』。
美は愛する力、あらゆる人の心にきらめく宝石を発見していく人間愛の交響楽、美は憤怒の情を和らげ幸せを約束する、豊饒なる人間性を善に向かわしめるもの……」
美については学者や芸術家が多くの私論を述べており、「美学」という専門的な研究分野もあります。
「これは私の美学なの」と、自己の生き方を美学という言葉で表す人にもよく出会います。
美は、私たちの憧れと自己表現したい願望を持つ価値観なのです。
第一印象を決定するもの
私たちが初対面の人に出会ったとき、最初に相手のどこを見て何を聞き、その結果として、相手の印象を判断し、測定し決定するのでしょうか。
それには次のような要素があります。
《人を判断する要素》
1 身体的特長(性別、年齢、体格、皮膚の色、メイク、ヘアなど)
2 言葉(挨拶言葉から具体的な話まで)
3 声の調子(話し言葉に付随する音声の性質と特長)
4 動作(身体の姿勢、動き、歩き方など)
5 顔の表情(視線、笑顔、喜怒哀楽、顔の表情全般)
6 服装(着こなし、カラーコーディネート)
7 身体的接触(握手、頬ズリ、挨拶に関するもの)
8 対人的空間(コミュニケーションのために要する空間)
9 マナー(その人の文化度、教養、知性、礼儀作法)
10 時間(出会った時間、あるいは話の間の時間、沈黙)
11 香り(人の五感に訴える自然な匂い、人工的な匂いなど)
これらの条件を、じっくりとひとつひとつを確認するわけではなく、初対面の印象が決められる時間は僅か『3秒』。
男と女の間に起こる〝一目惚れ〟現象は、この一瞬に恋心を刺激されるというわけです。
人を判断するには11項目ありますが、最初に相手を見る場所は【顔】。
顔は男女を分別し顔立ちの美しさ、肌が綺麗か汚いか。
内面の知性、教養も凝縮して表している部分です。顔を包む髪形も【顔】全体に影響を与えます。
同時に体型や服装、挨拶の仕方や声で外見から好悪、美の是非を決めてしまう時間が僅か3秒。
「ひと目見たとき好きになったのよ!」とは歌の文句ですが、男女の恋愛の一目惚れは3秒で十分な時間。
僅かな印象の良し悪しはけして男女間だけに起こるわけではなく、ビジネスシーンでも勝負を決する大事な要素になることも多々あります。
たとえばビジネスの営業現場で、信頼され、好もしい印象を与えるには相手に「一目惚れ」される魅力をもつことは成功への第一ステップになる例を私はよく知っています。