人との出会いの中で、言葉以上に私たちの印象を決定する非言語表現に含まれるのは、《動作》《顔の表情》《服装》《身体的接触》《対人的空間》《マナー》《時間》《香り》でした。
これらの非言語の中でも、さらに相手の人への印象を強く訴えるのはどの要素だと思うのかを、二十代から五十代の男女五〇人に、具体的な面から考え答えていただきました。
「挨拶をしたときの表情や目つき、頭の下げ方で、感じが良いや悪いに変わります」
「初めて会った人なのに、親近感を感じる笑顔で決めることが多いですね」
「初めて会ったというより、以前からの知り合いのような親しみやすい顔をしてくれる人」
良い印象は〝感じが良い〟〝親近感を感じる〟〝信頼感が持てる〟〝品がある〟〝温かい感じ〟に集約されました。
「なんとなく目つきが悪いからいやな人だと判断した」
「人を見下した目つきがえらそうでいやな印象を受けた」
「目をキョトキョトさせて、こちらの目を見ようとしないの、落ち着きがないって判断しちゃいました」
「蛇のような冷たい目つきがいやだと判断しました」
「目つきがいやらしいスケベな男だとすぐにきめちゃいました」
「態度がでかくて、いばってる感じが顔に出ているといやなやつと判断します」
悪い印象のほうは〝人を見下した態度〟〝無視する感じ〟〝無愛想〟〝冷淡〟〝粗野〟〝下品〟〝落ち着きがない〟〝陰険な感じする〟〝目つきが鋭い〟〝えらそうな態度〟でした。
悪い印象では〝目つきが悪い〟が圧倒的でした。
五〇人の総合した意見は、3秒という僅かな時間でも、一瞬は全体を見るが、最後には顔を見て判断をする。
非言語の中では、《良い印象》と《悪い印象》の別れ道は、『顔』と結論がでました。
人との出会いの中で、相手の顔を見ないで、その人を判断することなどあり得ません。
『顔』を越える、強い印象を与える要素は非言語の中にはないのです。人の印象を決定するのは、善かれ悪しかれ、決定権を持つのは顔です。