生活習慣病とは
健康な体という資産に裏打ちされているうえで、私たちはものを思い、行動し、そして魅力を発揮するのです。
病気になっても精神面で豊かになり、それが外見までを美しくさせることができないわけではありません。
しかし、確立としては、病気の影響で、見た目にも容貌容姿が衰えることは否めません。
できるだけ病気にならず、健康という資産を目減りさせないで長持ちさせるべきです。
快適で元気で美しくいたいのなら、健康なときにこそ病気を想定しておくべきです。
ガン、糖尿病、脳卒中、心不全といった成人病の原因は、最近では生活習慣病ととらえる医師が増えています。
突然襲ってくる病魔という魔物は、防ぎようがないかもしれません。
しかし、生活習慣病から起きる病気なら自分の心がけ次第では寄せ付けないですむのです。
習慣病になる要素は、過度の飲酒、過食、偏食、ヘビースモーカー、運動不足、ワーカーホリック、ストレス、など〝分かっているけどヤメラレナイ、逃げられない〟ことばかりです。
習慣とは恐ろしいもので、一度癖になってしまうと、それを変えることはなかなか難しいものです。
とはいうものの、病気になると、自分を生かせなくなり、人も動かしにくくなります。
これでは、自分の資産を、無意味にまき散らしていることにもなるのです。
また、病気だ、健康だということばかり考える「健康オタク」になるのも楽しくありません。
そんなに肩に力が入らず、健康を守りながら、美しい体でいられること、それが魅力学における健康法です。
健康の定義
「健康とは、肉体的にも精神的にもまた、社会的にも完全に良好な状態をいうのであって、単に病気ではないとか虚弱でないということではない」
これは、一九四六年に世界保健機構(WHO)が、保健憲章で述べ同年に日本国憲法も同じように表現をした、現在もっとも権威ある健康の定義です。
しかしこれでは完全無欠のロボットでもなければ実現不可能な状態です。
そこで、それほど難しく考えずに、常識的な範囲で、毎日、寝て起きて、排泄をし働くのに支障なく生活に順応し、プラス思考で愉快に働けて、肉体的にも精神的にも、故障のない調和のある状態と考えていいでしょう。
健康増進、健康維持といったら、積極的に病気を予防し、楽しい生活を送ることが目標と理解しましょう。
魅力学から見た健康とは、生活習慣病を恐れ積極的に健康増進、健康維持を目指し、体の持つ資産価値を減らさずに、魅力人でいられる可能性を求めることです。
健康を保つにはバランス感覚が大切
飲み過ぎたり食べ過ぎたりするプロセスには、楽しいことがたくさんあります。
恋人とのデートや、友人仲間とガンガン気炎を上げたり、互いに上司の悪口なんか言い合いストレスを発散させる等々。
健康を保持する最大のポイントは、『バランス感覚』を持つことです。バランス感覚とは、自分の体に自分の意志を貫くことなのです。
自分の体に意志を貫くというのは、飲まずにはいられない日もあるし、食べまくってストレスを解消したいときもあれば、あるいは食事ものどを通らないときもあります。
不眠不休の徹夜続きも、朝から晩まで惰眠を貪ることもあるとでしょう。
それはそれで弱さを持つ人間として、いたしかたなく時には許されてしかるべきです。
しかし、「まあいいか」と自分に言い訳をしてそんな生活を長く続けた結果、習慣化してしまうことがとても恐ろしいことです。
そうなる前に、必ず体は赤信号を発し悲鳴をあげています。
健康を害する兆候、病気の初期症状のシグナルや赤信号を無視すれば、自分で気がつかないうちに体は徐々に壊れていきます。
このような状態にならないことが、自分の意志によるバランス感覚を持った体ということなのです。
不健康さは外見を醜くする
私は魅力学研究家であると同時に美容家でもありますから、健康不健康にかかわらずさまざまなタイプの老若男女の方の顔を見ている経験から断言できるのは、不健康な状態を自分から招いている人は、必ず外見も、その人本来の魅力を失い醜くなっていくということです。
バランスの悪い食事や生活の結果、顔色は悪く、シミやシワも普通より多く、肌も濁って薄汚くなり、やせこけた体は男女ともに精彩に欠け、実年齢より老けて見えがちです。
あるいは、原型をとどめないほどの肥満体に変化してしまい、見るからに息苦しそうで、高い血圧や、心臓病を思わせ、見ている側も息がつまりそうになって、不愉快なイメージを与えがちになります。
自分自身に、バランス感覚とコントロールする意志があれば、このような状態に決して陥ることはないのです。
私が、病気に対して畏敬の念と恐れを持つために、ハチャメチャな生活状態の中でもなんとか健康を保つためにバランス感覚を失わずに、自分の健康を管理してきた方法の筆頭にあげられるのは、常に一定の体重を保つことです。
これは、魅力研究家と肩書を持つ以上、「子供を生んだから体のラインがくずれても仕方がないわ」という言い訳は、私自身がしたくありません。
それに、女として誇れる出産をしたのに、体は醜く変形してしまうのか、そのことも自分の体でトライしたいと思ったのです。
私の身長は一六三センチ。最初の出産前は四八キロでした。
しかしこれは胃下垂もありやせ過ぎでしたので、私の体重の増減は五三キロときめました。
この数字は肥満指数を出す方法のひとつで、身長―体重=100(男性)105(女性)~110までから割り出したものです。
肥満を割り出す方法にもいろいろあり、最近では、病気を引き起こす原因になる体脂肪(内蔵も周囲についている脂肪)も測れるようになっています。
厳密には肥満指数も、見た目と体脂肪も知り調整するのが理想です。最近の病院ではそうした指導もなされます。
私は出産前には一〇キロぐらい体重が増加しましたが、出産後六ヶ月で元の体重に戻しました。さして辛い制限をするわけではありません。
一ヶ月に二キロの割合です。二キロとは、お米の一キロ入りを二つと考えてください。
「その一口が豚になる」という腹八分目の、食事量だけでも減量していかれるキロ数です。
一定の体重を常に保つには、必然的に「行動」「食事」「運動」「入浴」「休息」などに気を配ることも重要。
当然〝時間の管理〟を考え、合理的な仕事術や家事術にも研究に研究を重ねていきました。
タバコは元来キライで吸いません。三十代には酒豪といわれたほど酒は強くよく飲みました。
しかし、それが続けば顔はむくみ、下腹が出るので、すぐにコントロールします。
まとまった運動ができなければ、車に乗らずに歩き、スキマ時間にその場で体操をしたりしました。
栄養学を勉強し自分ができなくても家内の人にも教えて守るようにしました。
一日の終わりに明日の仕事のスケジュールと『本日の体重』を日記に書き入れるのです。
こうして体重管理をし、生活全般のバランスも保ち成人病を患うこともなく健康維持を保ってきました。現在の体重も二〇年前と変わっていません。
意志を持った体は美しい
最近はスポーツ選手たちも、金髪やピアス、あるいはヒゲ、長髪などの外見の変身を見せてくれます。
これはサポーターやファンへのサービスやデモンストレーションだけではありません。自分へのエールなのです。
スポーツをする以上は体を鍛えることは当たり前。しかし、それだけではなにか物足りない。
そこで髪の色や形を変えることで、自分の中に眠っているはずの違った可能性を引き出し、本来の試合で良い成績を上げたいという願望の表れです。
スポーツ選手の場合は、最初に体ありきですが、私たちの外見はまず顔から始まり、次に体型も視野に入ります。
だれの顔も世界にひとつしかないように、体つきもまた世界にひとつしかありません。
世界にひとつしかない自分の体を、醜くするのも意志を持った美しい体にし続けるのも、自分の意志次第なのです。
《体は最大の資産》であることを忘れず、健康を考えることは自分の生活、人生を考えることに通じるという「意識」と「志」を、肝に銘じてください。
平均年齢が年々伸びる時代、意志に貫かれた美しい体を保つことの重要性を、魅力学を通じ、ライフワークとして考えるべきだと断言しないではいられません。
二〇一四年ギネス世界記録で、日本人の平均寿命は男性が八〇・一歳、女性が八七・二歳、男女平均が八三・七歳と発表されています。
それによると、最も平均寿命の長い国は日本で一九三カ国中1位。
長寿はめでたいですが、統計では七〇歳を過ぎると、十年は寝たきりになる老人の増加だそうです。お金持ちになり名誉を得ても寝たきりでの十年は虚しいです。長寿になった意味がありません。年を重ねて一番の【幸せ】とは何でしょうか。
多くの老人の願望は、可能な限り自分の意志で自分の足で歩けることです。まさに健康で歩けることこそ「財産」なのです。美容家の友人松尾俊二氏が二〇一三年から六〇歳以上一〇〇歳までのモデル希望者を募りMake Over Magicチャリティーイベントを実施してきました。
二〇一七年七月、私は七七歳の喜寿を迎えたのを期し、Make Over Magic
チャリティーイベント「寝たきり長寿国日本を世界一美しい高齢者日本に」の会長をつとめる一般社団法人国際魅力学会と特定非営利法人グレイスフルエイジング協会による共同開催をしました。
六〇歳から九八歳のモデルさんが華麗に変身! 赤い絨毯を歩く姿に会場の三八〇人のお客様から、感動の涙や笑いを誘い出し賞賛の声と拍手が響きわたりました。
加齢はだれにでも公平に訪れます。老いたときに歩ける体でいるには、若い時からの無理のない体の鍛錬と新たな外見美の服装、メイク、ヘアにも挑戦し生涯現役を目指すのが長寿時代の大事なルールなのです。