~新しい供養のかたち~ 愛するペットのお墓作り。(人生100年時代協議会・AGE100PRESS)

犬も猫も、大きさや種類に関係なく、家族として家の中で一緒に暮らす家庭が増えました。
2019/11/21

ペットも大切な家族。プランター葬が増えている

動物のお墓に特に決まり事はない

霊園や散骨など人と近いお見送りをする人が増えている

可愛らしいだけでなく、その存在に慰められたり励まされたりすることも多く、かけがえのない存在となっている人も多いでしょう。

 

そんなペットとのお別れを迎えた時、どのようにお見送りをしていますか?

 

動物のお墓には特に決まり事はなく、人間と同じように火葬して霊園でお墓を作っている人もいますし、小動物の場合は自宅の庭に埋葬しているという人もいます。

 

そんな中、静かに広がりを見せているのが、手元で供養を続けられる方法「プランター葬」です。

 

庭がなくてもプランターを置けるベランダがあれば、誰でも作れる身近なお墓。

 

その整え方をご紹介しましょう。

最後の寝床を整えるつもりで準備する

ペットのイメージに合う鉢を探してみよう

骨つぼよりひとまわり大きな鉢を選びましょう

用意するものは、遺骨を埋葬する鉢と土です。

 

水はけを良くするために、今回は軽石を底に敷きます。

 

鉢植えは素焼きのものがおすすめ。

 

素焼きの鉢は多孔性で空気や水分を通しやすく、遺骨が自然に還るお手伝いをしてくれるのです。

 

気を付けたいのは、埋葬の前に火葬しておくこと。

 

生体のままで埋めると朽ちるまでに時間がかかりますし、万が一臭いが発生すれば近所に迷惑がかかることもあり得ます。

 

火葬せずに埋葬するのは小鳥やハムスターなど、ごく小型の動物までと考えておきましょう。

 

大切なペットが最後に眠る寝床を整えるような気持ちで、その子のイメージに合う鉢を探してみるのも良いですね。

 

お店で色々な鉢を見ながら「どれがいい?」と心で語りかけた時、ペットの魂がそばにいるように感じられて嬉しかったという話を聞いたこともありました。

埋葬するタイミングはいつが良い?

心が落ち着くまで待っても大丈夫

右が紙製の骨つぼ。軽くて扱いやすく、デザインも可愛らしい

埋葬を焦る必要はありません。心が落ち着いてからで大丈夫です。

 

最近では骨つぼも、陶器だけでなく、可愛らしくプリントされた紙製のものなどがあり、リビングなどに安置してしばらくの間ともに過ごす人も増えつつあります。

 

もしも区切りを付けたい場合は、人間の納骨のタイミング(仏教は四十九日、神道・神式は五十日祭、キリスト教は三十日祭など)を参考にするのも良いかもしれませんね。

 

鉢は、骨つぼがすっぽりと収まって余裕を感じるくらいの大きさのものを用意します。

 

土は水はけの良いもので、遺骨の上にたっぷりとかけられる量が必要です。

 

鉢に草花を植えたいなら、遺骨に絡まりすぎないよう、根を張りすぎない品種を選ぶこと。

 

大量に水やりが必要な品種も、骨にカビが生える可能性があるのでなるべく避けましょう。

プランターへ埋葬する手順はとても簡単

気持ちが落ち着いたら、いよいよ埋葬へ

鉢の底に適度な量の軽石を入れると水はけが良くなる

埋葬の手順は、ごく簡単です。

 

水はけを良くしたい場合は、適度な量の軽石を底に敷いて。

 

少なめでも十分ですが、写真では分かりやすいよう少々多めに入れてあります。

 

その上に寝床となる土を敷き、土の上に遺骨を置いて、上から土をかぶせれば終わりです。

 

もし遺骨を丁寧に並べたいなら、新聞紙やビニールなどに出して広げておくと良いでしょう。

 

霊園によっては火葬後に遺骨を元の姿の形に並べて、尾の方から順番に入れさせてくれるような配慮のあるところもありますが、移動するうちに骨つぼの中で動いていますので、一度外へ出した方が、きれいに並べることができます。

日当たりの良い場所、風通しの良い場所へ

いつかは土に還る日が来る

たっぷりの土をかけて完成した鉢

埋葬する時、遺骨を布で包んだりはしない方が良いでしょう。

 

包むと遺骨が土に還るまでの時間が長くなります。

 

いつまで埋葬した鉢を手元に置いておけるかはそれぞれですが、プランター葬の目的のひとつは「いずれ土に還すこと」でもあります。

 

プランターですからそこまで場所を取るわけではありませんが、自分が面倒を見られるのはいつまでか、保管期間についても考えておく必要があるのです。

 

遺骨を入れたら上からたっぷりの土をかけ、日当たりの良い場所へ置きます。

 

日光が当たる場所に置くのがベストですが、難しい場合は風通しの良い場所へ。

 

土の中でゆっくり眠って、いつかは土に還って行く。

 

それを手元で見守ることができるのが、プランター葬から感じられるあたたかさです。

好きな草花を植えて慰めを

"あの子"がここにいる、と感じられる瞬間

花を通じて、あの子に会える

鉢に植えた草花をペットに見立てて、お世話を続けている人もいます。

 

「花が咲くたびに、旅立ったペットの笑顔に出会えるような気がする」と言う人も少なくありません。

 

霊園に預けてしまった後で転勤が決まったりすると、思うようにお参りに行けなくなる可能性もあり、多頭飼いの場合は予算面の悩みも尽きませんが、プランター葬なら転居の際も問題なく連れて行けます。

 

予算も自分にできる範囲内でおさめつつ、心のこもったお見送りが自分の手でできるのですね。

 

草花を通じて、いつもそばにいられる安らぎ。

 

大切なあの子に「ちゃんと元気でやってるよ」と日々話しかければ、寂しさが慰められるだけでなく、ペットもきっと安心して天国で休めることでしょう。