【医師が解説】「早歩き」は寿命を延ばす。数値が示す”歩行速度と寿命”の関係(AGE100PRESS・人生100年時代協議会)

2020年もあっという間に10日が過ぎました。 みなさんは今年はどんな年にしていきたいですか? それぞれに目標を立てられ、新たな気持ちで過ごされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 「今年は1日10,000歩を歩くことを目標にしよう!」「会社の最寄り駅の一駅手前で降りて、一駅分歩こう!」など、健康に関する目標を立てられた方もいらっしゃるかもしれません。 そこで、今回のテーマは「歩行速度と寿命の関係について」です。
2020/01/14

心肺機能と平均寿命

突然ですが、みなさんは定期的に運動はされていますか?

 

「はい」と思った方、どれくらいの頻度でどれくらいの強度で運動をしていますか?

 

運動が健康に良いことはみなさんご存知のことと思います。

 

また、多くの研究で、心臓機能が低下している人、呼吸機能が低下している人は平均寿命が健康な人に比べると短いと言われています。

 

高血圧や糖尿病などの生活習慣病、肥満や痩せすぎも平均寿命に影響を及ぼしています。

 

このたび、アメリカのメイヨークリニックからこんな研究報告が出ました。

 

それは、ウォーキング(散歩)の時の歩くスピードが平均寿命に関連しているか?という研究です。

歩行速度と平均寿命

この研究は以下の通りです。

 

【目的】

歩行ペースが体脂肪の異なるレベルにわたる平均余命とどの程度関連しているか?

 

【患者と方法】

参加人数は驚異の474,000人以上が参加した研究で、通常の歩行ペース(ゆっくり、安定した/平均、活発として定義)、ボディマスインデックス(BMI)を測定。

 

約7年にわたって追跡調査されました。

 

【結果】

活発なウォーキングペースを報告した参加者は、女性で86.7歳から87.8歳まで、男性で85.2歳から86.8歳までの範囲で、すべてのレベルはBMIにわたって寿命が長くなっていました。

 

逆に、遅い歩行ペースを報告した被験者は平均寿命が短く、BMIが20kg/㎡未満の遅い歩行者で最も低かったという結果でした(女性:72.4歳、男性:64.8歳)。

 

つまり、活発な歩行者はより長い平均余命を持っていることがわかり、そしてそれは異なるレベルの肥満指数(BMI)にわたって一定であったというのです。

歩行速度を早めるだけで長生きできる

より速く歩くということは、非常に低強度の形態の心臓と呼吸のトレーニングを行っていると言えるかもしれません。

 

そしてそれを定期的に行うということで、心臓を強化することにつながるのでしょう。

 

心臓の病気を防ぐためには、日頃から生活習慣に気をつける、体によい食事を摂る、定期的な運動をすることなどが良い、と言われています。

 

しかし、普段の歩行速度をちょっとだけ早めるだけで長生きできるなら、やらない手はないですよね。

 

早速、意識してみてはいかがでしょうか。