【人生100年時代の健康維持】医師が解説!花粉症と食物アレルギー予防の前に、メカニズムを知っておく。

3月に入り、花粉症が早くも本格的になってきましたね。 人生100年と言われる現代において、花粉症との付き合いは長いものになるでしょう。 そこで今日は、普段なかなか聞くことがない、花粉症とアレルギーとの関係について、お話をしていきたいと思います。
2019/03/05

花粉症ってそもそも何?

花粉症とは、そもそもどんな病気なのでしょうか?

花粉症は、スギやヒノキなど花粉が原因で、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状をおこす病気です。

季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。

一方で、ダニやほこり、ペットの毛などで一年中アレルギー症状が続くものを通年性アレルギー鼻炎とよび、喘息などど合併することも珍しくありません。

花粉症のメカニズム

では、花粉症はいったいどんなメカニズムでひきおこされるのでしょうか?

簡単に説明しましょう。

 

 

まず、花粉が体内に入ると、私たちの体は、それを「異物」と判断するかどうか決定します。

もし、異物と判断されると、それを排除するための兵隊、「IgE抗体」を体内に作ります。

 

IgE抗体ができた後、再び花粉が体内に入ると、花粉は抗体と結びつきます。

その結果、ヒスタミンという化学物質が放出され、ウイルスを体外に排出しようとします。

 

この、排出の行為が鼻水やくしゃみ、涙ということになります。

鼻づまりで体内への侵入をブロックするということもあります。

予防のためにも花粉症のメカニズムを知っておきましょう

花粉症と口腔アレルギー症候群

花粉症の人に時々みられるのが、口腔アレルギー症候群と呼ばれるものです。

花粉にアレルギーがあるだけで、食べ物にもアレルギーを起こすのですが、なかなか想像がつきませんよね。

 

これは、花粉に対するIgE抗体と、ある種の食べ物に対するIgE抗体の構造が似ているために起きる現象です。

 

そのアレルギー反応が口腔内で起きるために、口の中でしびれやかゆみ、むくみが生じることになります。

これを「交差反応」と呼びます。

代表的な交差反応

シラカンバ:もも、さくらんぼ、りんご

スギ:トマト

イネ科:スイカ、メロン、トマト

対策としては、これらのアレルゲン(アレルギー原因物質)を避ける必要がありますが、これらのアレルゲンは熱に弱いことが多く、加熱することでアレルギー症状が緩和されることもあります。

 

*口腔アレルギー症候群は、花粉症でない人にもおこることがあります。

 

気管支喘息やゴム手袋(ラテックス)アレルギーなどの人にも起こりえますので、当てはまる方は注意が必要です。

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