【人生100年時代の健康維持】医師が解説!煙草のリスク、少量の喫煙なら許されるのか?

長寿大国日本。健康ブームが到来し、以前と比べると喫煙者は激減しています。 人生100年を生き抜くにあたり、煙草のリスクはどのくらいあるのでしょうか? 今日は、知らないでは済まされない、喫煙のリスクについてお話をしていきたいと思います。
2019/03/12

煙草の害を考えてみましょう

煙草(タバコ)はとても多くの健康被害を引き起こす原因と言われています。

 

肺がんや気管支喘息、COPDなどの呼吸器疾患をはじめとして、心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管疾患。また、あらゆるがんのリスク因子ともいわれます。

 

妊婦さんが喫煙すると妊娠合併症のリスクが高くなり、胃潰瘍などの消化器疾患の可能性も高まります。そして知的能力の低下、ひいては寿命短縮などあげてみればきりがありません。

 

このようにタバコの健康被害に関しては、皆さんもよくご存知かもしれません。

煙草の雑学

タバコの煙にはどれくらいの化学物質が含まれているかご存知ですか?

 

その種類、何と約3000種類です。そのなかの有害化学物質の代表がニコチンやタール、一酸化炭素です。

 

そして、1本のタバコの中には約15mgのタールが含まれています。毎日一箱のタバコを15年吸い続けるだけで、コップ10杯分ものタールが蓄積される計算になります。

大切なのは、健康? タバコ?

喫煙と病気の関係

喫煙によって肺がんになった人の割合は約70%もいたという海外の報告もあります。

 

また、タバコをやめた場合、ニコチンの直接効果は約1~2日で消えますが、心臓血管に対する影響が消えるまでに約1年、肺がきれいになるのに約10年必要だといわれています。

 

そんな話がある中、一部の喫煙者の方々は、喫煙本数を減らしているから大丈夫、と言っている方もいらっしゃいます。

 

最近、そんな声を打ち砕く研究論文が発表されました。

少量の喫煙と心臓血管病のリスクの関係

その論文は2018年1月にイギリスのBMJ誌に発表されたものです。

 

タイトルは、『Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports』です。

 

日本語で、『少量の喫煙と冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞のことです)と脳卒中の関係』というタイトルになります。

 

この研究によると、タバコを1日20本吸っていると、冠動脈疾患、つまり狭心症や心筋梗塞などを起こすリスクは2.27倍。つまり、2倍以上の危険性があるということです。一方で喫煙が1日一本のみだった場合の冠動脈疾患のリスクは1.74倍でした。つまり1日たった一本たばこを吸うだけで心臓発作を起こしやすくなるということなのです。

 

脳卒中も同様で、1日一本タバコを吸う場合の脳卒中リスクは1.30倍、1日20本の場合1.56倍とたった一本でも十分に脳卒中のリスクが高くなったのです。

 

たった一本の煙草を吸うことで、1日一箱吸う人の半分以上の冠動脈疾患や脳卒中のリスクがある。タバコは吸うけど、本数は少ないから大丈夫だよ、とは言えなくなりましたね。

やっぱり喫煙のリスクは高い

それでもタバコがやめられないなら・・・

それでもタバコがやめられない、やめたい、何とかしたい。

 

そういう場合は是非禁煙外来をご活用ください。約3か月のプログラムで禁煙をサポートするものです。

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