軽度認知障害(MCI)を見逃さない
MCIとは、軽度認知障害と呼ばれているもので、アルツハイマー病ではないけれど、健常とも言えない脳の状況を表します。
日常生活内は何ら問題はないものの、このMCIと言う状況を見逃すと数年後にはアルツハイマー病に進行する可能性があるというものです。
5年で半数の人がアルツハイマー病に進行するとも言われています。
そのために、MCIから病状が進行しないよう予防することがとても大切になります。
今回ご紹介する研究は、脳を刺激する活動を続けることで、MCIを予防できるかもしれない、というものです。
「脳を刺激する活動」と「軽度認知障害リスク」の関係
この研究は、米メイヨー・クリニックの精神科医であるYonas Geda氏らにより示されました。
『Quantity and quality of mental activities and the risk of incident mild cognitive impairment』
対象:研究開始時にMCIがなかった平均年齢78歳の約2,000人を対象に、5年間追跡調査を実施。
5年間にわたって定期的に思考力と記憶力の検査を受けました。
また、脳を刺激する活動度は、読書、パソコン操作、社会活動、ゲーム、などとしています。
結果:この期間に532人がMCIを発症。
友人と楽しんだり、映画を見たり、パソコンを使ったりすることで、総合的にMCIリスクは20%減少することが判明しています。
また、コンピューターを日常的に使用していると、MCIのリスクが63%にまで低下しました。
クラフト活動は、晩年期に実施された場合にのみ、MCIの発生リスクが58%にまで低下。
さらに、晩年に多くの活動に従事すると、MCIの発生リスクが57%にまで大幅に低下しました。
結論:より多くの精神的刺激活動に従事することは、高齢者のMCIのリスク低下と関連していることが予想されました。
MCI(軽度認知障害)のスクリーニング検査
何歳になっても、脳を刺激する活動を続けることは、軽度認知障害(MCI)を予防するためにはとても有用だと言えるでしょう。
また、今自分がすでにMCIになってしまっているのかを計測することが可能になっています。
□何をしようとしたか思い出せない
□人と会う約束を忘れてしまった
□長年の趣味への関心が薄れてきた
□薬の飲み忘れが増えた
などのような症状が出た場合、MCIスクーリング検査が勧められます。
MCIを予防すること、そして自分の脳の状態を定期的に調べておくことが必要ですね。
自分がMCIになっているのか?は自覚症状ではわかりません。
MCIスクーリング検査は少量の血液検査(保険適用外)で調べることが可能となっています。
認知症予防の検査、ぜひ調べてみてください。