「健康な眼」でいられることは、生きる希望でもあります。
適切な眼づかいで読書をすることで、老眼を防ぐ、もしくは改善することができます。
「健康な眼」でいられることは、生きる希望でもあります。
適切な眼づかいで読書をすることで、老眼を防ぐ、もしくは改善することができます。
先日、私の速読教室(NBS 日本速読教育連盟)に77歳の男性Aさんが入会してきました。
読書力を測定すると、目も含めて身体的には年齢相応であることが見て取れました。
しかし、入会理由を聞くと、80歳までに若い時に取った資格の事務所を開きたいという希望を持っている、とのこと。
訓練を始めると、今まで固まっていた目が動き出し、それだけでも近くが見やすくなったと喜んでくれました。
しかし、高齢で入会すると、親しい家族や友人が旅立つことがよくあるものです。
Aさんの場合も、入会早々にお兄さんが癌だと判り、病院に付き添い看病が必要になったため、2ヶ月間教室に来ることができなくなりました。
お兄さんが旅立ち喪の期間を終えると、再び訓練を開始しました。
その後、お兄さんの遺言書について法律的問題が生じたとのことで、たくさんの本を読むことが必要になります。
Aさんは、細かな字の法律書を何冊も読み、問題解決の糸口を見出しました。
しかし教室に来たときには非常に目が疲れている状態で、老眼も進んだかのように見受けられました。
その時、私は「老眼は改善するのですよ」と、これまで教室で指導してきた生徒さんも老眼を改善している事実を伝えました。
もちろん身体の”老化”がなくなるわけではありません。
しかし、近くが見えづらくなる、いわゆる老眼というのは、機能を使わないために生じる「廃用性萎縮」による現象だと、私は考えています。
速読時の脳波の研究でご指導いただいた故・品川嘉也先生(日本医科大学教授)は、60歳をすぎても老眼が全くありませんでした。
先生にどうして目がいいのですかと尋ねると、「僕はたくさん本を読むからね。目を使っているから視力が衰えないのだよ」と答えられました。
一般には「目を使うから疲れて視力が低下する」と思われています。
ですがよく考えてみると、身体の機能や筋力というのは、使うと発達し、使わなければ萎縮していきます。
これは体験的にも理に適っているのです。
もちろん、がむしゃらに本を読めば目が良くなるというわけではありません。
何事もそうであるように、読書にも「適切な眼づかい」というものがあります。
適切な眼づかいで読書すれば、老眼が解消するだけでなく、読書能力も伸びていくのです。
この記事を書いた人
日本速読教育連盟 理事長(工学博士)
佐々木豊文
1984年、東京23区で初めて速読教室を開設。以来一貫して速読テクニックではなく、読書能力としての「速読脳」を追求、指導。そのトレーニングや頭脳活性化の様子は「ためしてガッテン」やEテレ「ニューベンゼミ」などで繰り返し紹介され、速読ブームを起こした。中学時代から慢性腎炎で医者に見放され、自ら克服するため健康法を追求してきた。その結果、教室では健康法や視力回復法など、総合的に能力開発を指導している。
著者についてこの記事が気に入ったら
いいね!しよう
ランキング 週間 月間