⑴ストップウォッチまたは腕時計を用意してください。
⑵拾い読みや飛ばし読みをせずに、文字を順に追いながら、普通に理解して読み進みます。
⑶本文の文頭に記したⓈ印から、文末のⒺ印まで読んで、それに要した時間を測ってください。
⑷測定した時間を秒数に換算してください。
⑸その時間(秒数)を次の式に入れて、読書速度を求めます。
読書速度(字/分)= 1020/所要時間(秒)×60
⑴ストップウォッチまたは腕時計を用意してください。
⑵拾い読みや飛ばし読みをせずに、文字を順に追いながら、普通に理解して読み進みます。
⑶本文の文頭に記したⓈ印から、文末のⒺ印まで読んで、それに要した時間を測ってください。
⑷測定した時間を秒数に換算してください。
⑸その時間(秒数)を次の式に入れて、読書速度を求めます。
読書速度(字/分)= 1020/所要時間(秒)×60
私は今年喜寿を迎えた。
これまでの人生はあっという間の気もするし、とてつもなく長い時の流れを過ごしてきたようにも思う。
この頃は、ふっと昔を思い起こすことが多くなった。
あれこれと走馬灯のように場面場面が浮かんでは消え浮かんでは消えるが、その中に必ず入る場面がある。
ほんの数十分の出来事だが、ありありと思い出す。
今から何十年前になるだろう。遥か昔、私が学生の時のことだ。
私は文学を志す青年だった。
戦争が激しくなって世の中が戦時色一色になっても、私は自分とは関係がないような感覚で生きていた。
しかし、戦局が負け戦に傾き始めると文学青年とて関係ないと言っていられない状況になってきた。
とうとう私は学徒出陣で中国に送り込まれた。
国を思う気持ちはあったが、もともと闘争心なんか全くない私だ。
戦力になり得ないのは分かっていた。
しかし、とにかくその場をしのいで、私なりにはがんばったつもりだ。
兵舎での生活にもやっと慣れてきたある日、私は上官から呼び出された。
特別私だけが呼び出されたので、何だろう?と不思議な気持ちで上官の部屋へと向かった。
しかし、なぜか恐怖心はなかった。
ドアの前に直立不動で立ち、ノックした。
ドアが開き、私は中に招き入れられた。
その部屋は私たち兵卒とは比べものにならないほど広く立派だった。
窓際に置かれた大きな机の向こうに上官が座っていた。
その背後の窓から漏れ来る淡い光が上官の顔に影を落とし、私には表情を読み取ることが出来なかった。
しばしの沈黙の後上官はすーっと立ち、私の方に歩いてきた。
上官の付き人は外に出され、私たちは二人になった。
上官は私の目を見て、「お元気ですか?兵舎での生活は大丈夫ですか?本当にご苦労様です」とねぎらいの言葉を掛けてくれた。
予期していなかった再会だった。
驚きを隠せない私に故郷のこと、家族のことを尋ねた。
私はその問いに答えようとしたが、なかなか言葉にならなかった。
ほんの数十分の短い会話が終わった時、上官は直立不動の姿勢で私の目の前に立ち最敬礼をした。
言葉のない心の会話があった。
私は上官の思いを全身で受け止め、深々と頭を下げて部屋を辞した。
これが私とすぐ下の弟との最後の別れだった。
それから、数日してその上官は南の方へと移動したと漏れ聞いた。
終戦の年、その弟はフィリピン、ルソン島で戦死した。
私はあの時の弟のあの眼差しを思い出す。
穏やかで微笑みをたたえたあの眼差しは思い出すたびに鮮明になっていくのを感じる。
もちろん、難解な文章だともっと遅くなるでしょうし、感動のない表面的な理解の仕方で読むと、もっと早くなるかもしれません。
が、おおよその目安は分かったと思います。
成人場合、読書速度は、500〜700字/分と言われていますから、測定した速度がこの範囲に入っていれば、平均的な読書速度ということになります。
1000字/分を超えている人はかなり速いほうに属しますし、400字/分を割るようですと、仕事や勉強で、読書に不自由する可能性があります。
すでに読書するのが苦手だとか、遅いと感じている方は、眼の機能や読み方に問題があるかもしれません。
ぜひ、この本を丁寧に読み、参考にしてください。
または、一度私の教室に足を運ばれるとよいと思います。
さて次に、速読を体験してみましょう。
今度は、あなた流の読み方で結構ですから、「最後の最敬礼」をできるだけ速く読んでください。
速読です。
もちろん、時間を測って、先ほどの計算式で読書速度を出してください。
しかし、「理解度が低い」とか、「これじゃ記憶に残らない」などの不満が残ったのではないでしょうか。
あるいは、「文字を飛ばしちゃったけど、こんな読み方でいいのかな」いう疑問が湧いてきたかもしれません。
しかも、理解して読もうとした方は、せいぜい2倍か3倍の速度で、そんなに速くなっていないと思います。
けど、一般に言われている「速読」は、そんな不満や疑問を伴う読み方なのです。
これは、私が、「10万字/分読書」と言っている読み方とは、まったく異なるものです。
そこで、速読という言葉の意味するところから、説明していきましょう。
この記事を書いた人
日本速読教育連盟 理事長(工学博士)
佐々木豊文
1984年、東京23区で初めて速読教室を開設。以来一貫して速読テクニックではなく、読書能力としての「速読脳」を追求、指導。そのトレーニングや頭脳活性化の様子は「ためしてガッテン」やEテレ「ニューベンゼミ」などで繰り返し紹介され、速読ブームを起こした。中学時代から慢性腎炎で医者に見放され、自ら克服するため健康法を追求してきた。その結果、教室では健康法や視力回復法など、総合的に能力開発を指導している。
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