【毎分10万文字・誰でもできる速読脳トレーニング】18.「速読眼」のヒミツ

「速読眼」を開発した人は、ごく小さな目の動きで行を上から下まで読むことができるのですが、このことは、体験していないとなかなか納得しにくいことです。自分で体験している人は、聞かれても「はい、行の上から下まで全部読んでいます」と、ごく当たり前のこととして答えますが、このことを、科学的に証明するのはとても難しいのです。
2020/04/05

「速読眼」には2つの特徴がある

なぜかというと、心の中の動きを直接測定できないからです。

 

視野が広がっていることは、客観的に示すことはできますが、それはあくまでも、間接的な実験結果からの推測です。

 

つまり、たとえば「視野の端っこに書いていることを、視野の真ん中に書いてあることと同じ確率で、正しく言い当てている」という実験事実から、「視野の端っこも読み取れている、だから視野が広くなっているに違いない」と推測するわけです。

 

一般に「視野が広い」という言い方をしますが、ほとんどの方はその実体験がないために、その具体的な内容についてピンと来ていません。

 

明確な言い方をするなら、視野が広いということは、

 

第一に、焦点の合っている範囲(焦点範囲)が広いということ、

 

第二に、その広い焦点範囲のなかの見たいところどこにでも、見たいという気持ちをピンポイントで持っていくことができる、

 

ということです。

 

つまり、このとき、目線の位置と見ている意識の点(視点)の位置は、異なっているのです。

 

ですから、眼球の動きを測定しても、実際に見ているところの動きを測定していることにはならないわけです。

 

というわけで、読んでいる意識の動きは、目の動きを直接的に測定したとしても、科学的に証明するのは困難です。

 

ここに、「速読眼」の研究の難しさがあるのです。

 

このような事情を踏まえたうえで、ここでは、主観的に言いますが、「速読眼」には、次の2つの特徴があります。

 

① 文字を次々と見ていく能力として、1分間に1万字以上を見ることができる、

 

② 行の上から下までが、焦点範囲の中に入っていること、

 

です。

 

①については、潜在的に持っている能力が52500字/分であることを説明しましたので、可能性を納得していただけると思います。

 

しかし、②についてはどうでしょうか。

 

焦点範囲というのは、読書心理学で言う認知スパンに相当します。

 

普通、認知スパンは4〜5文字程度とされているのですが、本当に1行全体が入るほど広がるのでしょうか。

認知スパンは広がるか

視野の広さについて、心理学の教科書でも出てくる研究があります。

 

それは、タクシー運転手の目の動きを調べた研究です。

 

運転歴の短い初心者の運転手は、目が動く範囲が広いのですが、長い運転歴を持つベテラン運転手は、その範囲が狭いということが知られています。

 

もちろん、眼の動く範囲が狭くても、タクシーの前方の広い範囲を見ていて、安全に運転しているわけですから、ベテランの運転手は、一目で認識できる範囲(読書における認知スパン)が広いと考えられます。

 

このことから、タクシー運転手は長年にわたって仕事をしているうちに、つまり運転しているうちに、視野が広くなったと推測されます。これは、仕事に適応した身体機能の変化と考えられます。

 

テニスの選手の利き腕は、他方の腕よりも長いのと同じです。

読書では、読書速度が速い人は認知スパンが広いというアメリカの研究結果を紹介しました。

 

読書速度が速い人は、おそらく読んできた本の量も多いと推測されますから、認知スパンが広いのは、たくさんの読書をしてきた結果、視覚機能が適応して、認知スパンが広くなったと考えることができます。

 

このような例を合わせて考えると、認識視野は、後天的に置かれた環境によって、自然に広くなると思われます。

 

広く見ることを日常的の行う仕事に就けば広くなるし、狭く使う仕事に就いて、そのままにしていると、狭く固定されてしまいます。

 

では逆に、若くしてタクシー運転手になるときから認知視野が広かったらどうでしょうか。

 

その人は、運転することが楽で疲れが少なく、安全運転ができて事故率が低く、かつ営業成績が良いのです。

 

断言してしまいましたが、受講生にタクシー運転手がおりますし、視野が広くなったときの体験や受講生が話してくれる感想をたくさん聞いていますから、それから断言できるのです。

 

若くして、これまでベテランしか持ち得なかった認知視野を持つことができたら、どんな職業でもすばらしい成果を出すことができます。

 

それを、「速読脳開発プログラム」は、可能にするのです。