【毎分10万文字・誰でもできる速読脳トレーニング】22.「速読脳」は「見た」即「理解」で読み進む

では、「速読脳」の理解の仕方が、トレーニングしていない人のものとまったく異なるのかというと、そんなことはありません。それは、すでに誰もが経験している理解の仕方の延長線上にあるのです。
2020/04/09

見た瞬間に理解している安心感のような感覚

たとえば、特に「速読脳開発プログラム」のトレーニングをしていなくても、「犬」という漢字を見れば、わざわざ「イ・ヌ」と音声化して読まなくても、瞬間的に「犬」という意味を理解できるはずです。

 

理解できたかどうか確認していると遅くなってしまいますが、見た瞬間に理解している安心感のような感覚が生じるのが感じられたら、それは理解したということです。実は、それが「速読脳」の萌芽なのです。

 

4文字ぐらいまでは、ほとんどの方が、見た瞬間に、このような理解の感覚を得ることができるはずです。

 

集中して見ることができるなら、6章で述べたマジカルナンバーである7個まで、文字を見た瞬間に理解できるでしょう。

 

しかし、それ以上は、難しいはず。

 

というのは、7個以上になると、一目で瞬間的に読み取ることができなくなり、目で追わないと文字が読めなくなるからです。

 

現在の、このようなレベルにある、見た瞬間に理解する能力を、段階を追って発達させていくのが、「速読脳開発プログラム」のトレーニングなのです。

 

速読の理解については、いろいろな説明がまことしやかに語られています。

 

たとえば、「瞬間的に漢字や言葉を読み取って、内容を把握する」という説明があります。

 

「読み取る」という表現の替わりに、「入力する」や「眺める」という言葉が使われ、「把握する」という表現の替わりに、「つかむ」「推測する」「統合する」などの言葉が使われますが、拾い読みをしていることを糊塗しているだけのように思われます。

 

また、「速読は潜在意識で読むので、読み終わってからしばらくしてから内容が思い出される」という説明もなされたりします。

 

「すごく速いから、そうなのかも知れない」と納得しそうですが、これは、高速で文字を順に読み取る能力ができていないことを示唆している説明と言えます。

 

このような説明は、いずれも「速読脳」の理解とは、まったく異なっています。「速読脳」が開発されたときは、見た瞬間に理解する作業を連続的に行うことができるようになります。

 

したがって、読んだ順にそのまま理解していくことができるようになるのであって、文章を「見た」即「理解」という理解の仕方で読み進んでいきます。

 

ですから、「普通の読書と同じように読んでいく」と言っているわけです。

「速読脳」は右脳も活性化させて読む

「速読脳」が開発されたときにできる理解の仕方について説明しましたが、いくら説明されても今の自分にできるとは思えないと思います。

 

トレーニングをして、できる身体や脳神経回路が発達してこないとできないのです。

 

空手の有段者は、素手で瓦や板を何枚も重ねて割ってみせますが、トレーニングしていない私たちは、私にはとてもできないと思うのと同様です。

 

「速読脳」の場合、空手と違って、外からは見えませんが、普通の人は使っていない脳の部分を活性化させて使っていることが分かっています。

 

脳の機能自体まだまだ解明されていないうえに、「速読脳」の脳活動についての研究も緒についたばかりですので、結論めいたことはいえないのですが、右脳が活性化することは確かだと考えられます。

 

fMRIによる右脳の測定では、一見して、「速読脳」を開発した人は、同じ読書をしているにもかかわらず、血流の増加している部分が多く、右脳のいろいろな部分を使って読書しているように見受けます。

 

器械体操のようなアクロバット的な動きをするわけではないのに、なぜ空間認識に関係する部位が活性化するのでしょうか。

 

これは、おそらく視野が広くなっていることと関係していると思われます。

 

高速で読み進むためには、読み進んでいく前方の行がよく見えていなければなりません。

 

事実、先々までよく見えるようになったとき、速く読んでいけるのです。

 

つまり、空間を広く認識できて、かつその広い空間にどのように文字が配列されているかが認識できることが、高速で読めるための不可欠な条件なのです。

 

トレーニングを進めていくときの反応から見て、納得できる測定結果でした。