視力の低下は、近視、遠視、乱視、老眼のいずれにしても、焦点が合いづらくなることですから、焦点を合わせる機能を改善することは、視力の回復につながるわけです。
ここに、「速読脳開発プログラム」のトレーニングで、視力が回復する理由があります。
焦点範囲を広げることも、視力を改善することも、明確な理論も、方法も提示されていないので、常識的には、そんなことはあり得ないと思われがちです。
目は、図のように、外部から入ってきた光を、水晶体で集光し、網膜に像を結ぶ機能を持っています。
これは確かなことです。
そして、焦点を調節する機構は、遠くのものを見るときは水晶体を薄くし、近くのものを見るときには水晶体を厚くする方法で行われ、その調整を水晶体の周りの毛様体が行っているとされています。
この教科書で学ぶ理論は、現代日本の常識になっているのですが、実は、これはヘルムホルツの説というひとつの学説に過ぎません。
私は、かなりアヤシイと思っています。
なぜなら、この説では、私たち「速読脳開発プログラム」でトレーニングした者が実際に体験している、焦点範囲が広がるという事実を説明できないからです。
また、次のことも説明できません。
以前、キヤノン(株)で「速読脳開発プログラム」の研修を受講した◯さんの体験です。◯さんは、定年後再雇用で勤務していましたが、両眼とも白内障のため手術して、水晶体の替わりに眼内レンズを入れていました。眼内レンズは、プラスチックでできていますから、その厚さは変わりません。
お医者さんからも、「手術後は遠近の調整が利きませんから、遠く用と近く用との2つのメガネを用意する必要があります」と説明されていました。
ところが、手術してみると、遠くも近くもよく見えるというのです。
結局、◯さんは、メガネを使う必要はありませんでした。
◯さんが、そのお医者さんに、メガネが必要ないことを話したら、「時々そういう方がいるのですよ」という答えだったとのことでした。
この◯さんの体験から言えるのは、少なくとも◯さんの場合、眼球の焦点合わせは、毛様体で行われていなかったということです。
毛様体以外に、焦点合わせの機能があることを示唆しています。
実は、目の焦点を合わせる仕組みについては、もうひとつの学説があるのです。
それは、ベイツの説です。
ベイツは、100年余り前、アメリカで活躍した眼科医です。彼は人間だけでなく、哺乳類や魚類まで、目の焦点合わせの仕組みについて徹底的に調べた結果、眼球の形を変えること、つまりレンズと網膜との距離を変えることで、焦点を合わせることを見出したのです。
ベイツは、近視、遠視などを含めて、目のあらゆる病気を治したと言われています。
このベイツの説に基づいて考えると、「速読脳開発プログラム」によって、焦点範囲が広がることも、眼が良くなることも、不思議ではないのです。
そのトレーニングは、ベイツが処方した方法と通じるものがあるように思われるからです。
ちなみに、◯さんは、「速読脳開発プログラム」のトレーニングで手術後の違和感も解消し、さらに楽に良く見えるようになり、3万字/分を達成して、とても喜んでおりました。