そのとき、3万字/分(1ページ1秒)で読むのを見た司会の志の輔さんが「ウッソー!」と驚きの声をあげていました。
とても信じられないことを見た時、私たちはそんな感想を漏らします。
信じられないことをする力は、超能力ですが、「速読脳」は超能力ではありません。
なぜなら、学習して身につけていく学習課程があるからです。
その課程は、大きく分ければ、すでに説明してきたように、「速読眼」を開発する課程と、「速読脳」を開発する課程です。
しかし、それぞれの課程には、たくさんの段階があり、それぞれの段階でどのようなトレーニングをし、その結果どのような反応が現れ、どのようなことができるようになり、どこまで出来るとその段階が卒業になるのかということが、明確になっています。
このような学習課程があるからこそ、私たち講師は、誰に対しても、指導できるし、また学習者は、安心してトレーニングを進めることができるわけです。
もちろん、人によって、ある機能のトレーニングは進みが速いが、別の機能は遅いという違いはあります。
ですからトレーニングの進度は、ひとりひとり異なります。
トレーニングを始める段階で、すでに健康状態も、両眼視の状態も、集中力も、それまでに読んできた本の量も種類も、読書速度も理解力も、あらゆる読書能力を構成する機能が、ひとりひとり異なっているのですから、当然のことです。
さらに、トレーニングを始めてから、トレーニングにどれだけ時間を割くかによっても、学習進度は大きく異なっていきます。
トレーニングを開始する段階で、いろいろなハンディがあったとしても、学習課程の内容がはっきりしているわけですから、たくさん練習した人のほうが、伸びは早くなります。
つまり、学習課程があるということは、習得していく速度は人さまざまだとしても、トレーニングすれば次の課程を進むことができるし、しなければできないということです。
これまでたくさんの人を指導してきて言えることは、どんなに読書能力が高い人でもトレーニングしなければ「速読脳」は開発されないし、逆に今までほとんど本を読んでこなかった人でも、トレーニングに時間を割けば、「速読脳」は開発できるということです。
ですから、「速読脳」を開発できるかどうかは、年齢に関係ありません。
現在私の教室で最高のレベルに達している人は、72才のKさんです。
Kさんは60代半ばからこのトレーニングを始めました。ほかにも70代で「速読脳」を開発している人が数名いらっしゃいます。
子供では、小学生四年から「速読脳」を開発している人がいます。
習得する唯一のコツは、「トレーニングを続けること」なのです。