ストレスは、潜病の元凶
血管を詰まらせ、突然死を引き起こすほか、様々な不調の原因になる潜病ですが、発症する人には顕著な傾向があります。
それは、ストレスの多い生活をしている人です。
例えば、責任の重いポストでプレッシャーの多い仕事をこなしている人、毎日夜遅くまで残業しなくてはならず心身ともに疲れている人など、毎日強いストレスを受けている人です。
さらに、現在の新型コロナウィルスの感染拡大により、多くの人がストレスに晒されています。
ストレスは誰にでもあるものですから、うまく解消してあげる必要がありますが、ストレス対策を体の機能だけにまかせていたら、潜病は避けられません。
ストレスは、自律神経のバランスも崩す
精神的ストレスは、潜病を引き起こし、突然死リスクを高めますが、だからといってストレスをゼロにはできません。
潜病を防ぐには、ストレスを減らそうとするだけでなく、ストレスをリセットする潜病リセット方法を身に付ける必要があります。
その方法が、自律神経を整えることです。
自律神経のバランスを整えれば、ストレスを上手に受け流して、体のダメージを予防できます。
では、そもそも自律神経には、どんな働きがあるのでしょうか。
自律神経は無意識下で働いて、体の機能を調節する働きを持っています。
たとえば、私たちは意識して手や足を動かしていますが、呼吸をしたり、心臓を動かして血流を送り出したりすることは無意識に行なっています。
また、食事をした後は、何も意識しなくても胃や腸が食べ物を消化してくれます。
こういった内臓の動き、心臓の拍動、呼吸、体温などをコントロールしているのが自律神経です。
私たちが生きるために大変重要な働きをしている神経なのです。
この自律神経は、交感神経と副交感神経で構成されています。
交感神経は起きている時や、緊張・興奮しているときに優位に働く神経で、脳や内臓を活発に動かす働きがあります。
一方、副交感神経は寝ている時やリラックスしている時に働く神経で、心や体を休めて、傷ついた体の修復を促進する働きがあるのです。
しかし、この自律神経のバランスが崩れてしまう原因となるのがストレスです。
ストレスを受けた時、交感神経が優位に働きます。
心身を活動モードにして、ストレスに対抗できるようにするのです。
そのため、ストレスが多い生活をしていると、交感神経優位の状態が続いて、副交感神経との切り替えがうまくできなくなります。
つまり、いつもストレスを受けたときと同じ状態になってしまうのです。
すると、疲労が溜まっていくようになります。
朝に行う自律神経リセット、2つの習慣
しかし、この自律神経の乱れは自分で治すことができます。
自律神経を整える方法を習慣化すれば、ストレスを受けても、自律神経のバランスを保てるようになります。
その都度ストレスをうまく処理できると、潜病を防げるようになるのです。
自律神経を整えたいなら、まず、朝の過ごし方を見直しましょう。
朝は、副交感神経から交感神経へと自律神経が切り替わる時です。
このとき、交感神経が働かなかったり、反対に活発になりすぎたりすると、自律神経のバランスは1日中乱れたままになります。
自律神経がスムーズに切り替わるように、次の2つの習慣を実践してみてください。
①3分間、朝日を浴びる
朝の太陽光には体内時計をリセットして、体を目覚めさせる作用があるのです。
すると、自然に交感神経が優位に働くようになります。
ベッドから起きたら、まず、カーテンをあけて太陽の光を浴びましょう。
そのときリラックスした気持ちで、太陽の光を全身で感じるようにするのがポイントです。
3~5分くらい朝日を浴びていると、だんだんと頭がはっきりしてくるのが自覚できるでしょう。
②コップいっぱいの水を飲む
コップいっぱいの水を飲んで、眠っていた胃腸を目覚めさせます。
胃腸が動き出すと、その働きをコントロールしている交感神経も連動して、活発に働くようになります。
寒い時期などは、白湯でもOKです。
また、なるべく朝食を摂ることも大事です。朝食も交感神経のスイッチを入れる役割を持っています。
フルーツや野菜ジュースだけでも摂るようにして、元気に1日をスタートさせましょう。