【人生100年時代のお金問題】「老後資金の選択肢」時間分散でリスクヘッジするFXのドルコスト平均法。

日本では金融緩和による超低金利政策が継続されています。大手の銀行の定期預金を利用しても金利は0.01%ですから、資産はまったく増やすことはできません。そこで利用したいのが「外貨」です。   今回は、低いリスクで簡単に実践できる「ドルコスト平均法」についてお伝えしていきます。
2019/03/03

初心者でも着実に。FXの上手な活用

「ハイリスク・ハイリターン」のイメージは本当か?

FX(外国為替証拠金取引)と聞くと、「ハイリスク・ハイリターンの資産運用」というイメージが強いかもしれません。

 

レバレッジを効かせて実際の20倍もの資金を取引できますので、利益も20倍になりますが、損失も20倍になります。ですから高いレバレッジによるギャンブル投機の対象にもなるのです。

 

しかし、しっかりリスクマネジメントをしていけば、外貨定期預金よりもはるかに安い手数料で、リスクを抑えながら外貨積み立てができます。それがFXのドルコスト平均法です。もっともシンプルで、もっとも効果的な投資とも言われています。

難しい手法をすべて排除する

トレードでは、「いつエントリーするのか」「いつエグジットするのか」というタイミングが一番難しく、「ここでエントリーしておくべきだった」「ここでエグジットするべきだった」というケースが多いのが悩みの種です。

 

株と同じように、FXにはチャートを分析して変動を予測する「テクニカル分析」や、経済指標の結果や政治情勢などから予測する「ファンダメンタルズ分析」があります。

 

両方をバランス良く習得してこそ、FXで成果を出すことができるようになりますが、時間や経験が必要です。ドルコスト平均法であれば、そういった分析が必要ないので、FX初心者でも気軽にできます。

 

機械的に毎月、同じ金額分だけドルを買っていくのです。買う時間を分散させることによってリスクヘッジしつつ、ドルを積み立てていくことになります。「今月はドル安だから多めに買おう」という判断はしません。とにかく一定に買い続けます。

ドルコスト平均法の効果

老後の資金、「ドルで積み立て」も1つの選択肢か

毎月1万円ずつドルで積み立てしていく

具体的な数字を使って、ドルコスト平均法をご紹介します。もちろんドル/円(USD/JPY)は常に変動していますので、円高ドル安の月もあれば、円安ドル高の月もあります。ドル/円は比較的ボラティリティ(変動率)が低く安定した通貨ペアではありますが、あえて極端な上昇・下落があったと仮定して確認してみましょう。

 

1ヶ月目 1ドル110円 1万円分で90.91ドル購入

2ヶ月目 1ドル106円 1万円分で94.34ドル購入

3ヶ月目 1ドル111円 1万円分で90.09ドル購入

4ヶ月目 1ドル108円 1万円分で92.59ドル購入

5ヶ月目 1ドル115円 1万円分で86.96ドル購入

 

毎月ひたすら1万円分のドルを買うだけです。FX業者でFX口座を開設しておけば、毎月3分もかからぬ作業でできます。(ただし1万通貨から扱っているFX業者だと、1万円分の購入はできませんので、千通貨から扱えるFX業者を選択してください)

 

こうして5ヶ月で5万円分のドルを積み立てたことになります。積み立てたドルは454.89ドルです。平均すると、1ドル109円92銭になります。もしも5ヶ月目に売りに出したとすれば1ドル115円まで円安ドル高が進んでいますので、5円8銭×454.89の利益です。およそ2,310円の利益になります。

 

しかも、これだとドル/円が下落して、1ドル110円という最初の段階に戻っても利益を出すことができるのです。

・ドルコスト平均法のメリット

逆に毎月100ドルずつ積み立てていくという手法もあります。こちらは「定量購入法」と呼ばれますが、実際に比較してみると、ドルコスト平均法と定量購入法では差が生まれてきます。

 

理由は、ドルコスト平均法の方が円高の時に多くのドルを買い、円安の際に買う量を少なくすることができるために、利益を出しやすいのです。

 

さらにドルコスト平均法には嬉しい特典があります。それは「スワップ金利」です。政策金利が0.10%の日本に対して、アメリカの政策金利は2.50%です。ですから日本円でポジションを保有するよりも、米ドルでポジションを保有した方が金利差で収入を得ることが毎日できるのです。

 

しかも保有するドルが(ポジションの量)増えれば増えるほど、スワップ金利によるインカムゲイン(利息)も多くなります。キャピタルゲイン(為替差益)とインカムゲインの両方からの収入を期待できるというわけです。

 

注意しなければならないのは、一方的に円高に傾くことですが、現状の日本とアメリカの金利差や景気を比較するとほとんど考えられないでしょう。

 

仮に2008年のリーマンショックのようなサプライズがあり、急落したとしてもドルの価値がゼロになることはないですし、また回復してきます。その点は株や仮想通貨と大きく違うところです。株や仮想通貨は価値がゼロになることはあり得るからです。

まとめ:老後の安定を得るための1つの選択肢として考えられる

ボラティリティが低く、安定しているドル/円だからこそ、この資産運用はリスクが低く、効果的なのです。資産に余裕があるのであれば、月に5万円分積み立ててもいいですし、10万円分積み立ててもいいでしょう。

 

その分だけスワップ金利で多くのインカムゲインを得ることができます。積み上げたドルを数年後の条件のいい時に売れば、さらに多くのキャピタルゲインを得ることができます。

 

(最終的な投資判断はお客様御自身の判断でなさるようお願いいたします。)