このように問われたら、みなさんはどのように答えるでしょうか。
2014年に行われた厚生労働省委託調査で、「普段健康だと感じますか」という健康状況についての質問に対して、「非常に健康だと思う」が7.3%、「健康な方だと思う」が66.4%、「あまり健康ではない」が21.7%、「健康ではない」が4.6%となりました。
全体の73.7%の人は自分を健康だと考えていることがわかります。
このように問われたら、みなさんはどのように答えるでしょうか。
2014年に行われた厚生労働省委託調査で、「普段健康だと感じますか」という健康状況についての質問に対して、「非常に健康だと思う」が7.3%、「健康な方だと思う」が66.4%、「あまり健康ではない」が21.7%、「健康ではない」が4.6%となりました。
全体の73.7%の人は自分を健康だと考えていることがわかります。
その上で、健康状況を判断する際に重視した事項を尋ねたところ、「病気がないこと」 をあげた人が63.8%と最も多く、次いで「おいしく飲食できること」をあげた人が 40.6%、「身体が丈夫なこと」をあげた人が40.3%となりました。これらの3つの選択肢は、主に身体的な側面に関するものであり、多くの人が、健康か否かを判断するに際して、まずは身体的な面を重視していることがうかがえます。
その一方で、「不安や悩みがないこと」が19.1%、「家庭円満であること」が13.6%、「幸せを感じること」が11.9%、「前向きに生きられること」が11.0%、「生きがいを感じること」が9.5%、「人間関係がうまくいくこと」が6.4%など、精神的な面や、人とのつながりなど社会的な面を重視している人は1割ほどにとどまっています。
上記の調査からも明らかなように、一般的には、病気ではない状態を「健康」である、と捉えている方が多いようです。
英語では、「健康」を意味する代表的な言葉として、「ヘルスHealth」と「ウェルネスWellness」があります。
「ヘルス(Health)」について、世界保健機関(WHO)は1948年に「身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気がないとか、虚弱ではないということではない」と定義しています。
一方の「ウェルネス(Wellness)」は、こちらも「健康」と訳すことができますが、「健康」の定義をより踏み込んで広範囲に捉えた概念で、アメリカの医学者ハルバート・ダン医師が『輝くように生き生きしている状態(1961)』と提唱したのが最初の定義です。
最新の定義として琉球大学の荒川雅志教授は「身体の健康、精神の健康、環境の健康、社会的健康を基盤にして、豊かな人生をデザインしていく、自己実現(2017年)」と提唱しています。
つまり、「ヘルス」は身体的、精神的、社会的に完全な状態ということを目的とするニュアンスがある一方で、「ウェルネス」は健康を「目的」ではなく、豊かな人生や輝く人生を実現するための「手段」と考えています。
アメリカの医学雑誌「Psychosomatic Medicine」の第78巻第2号(2016年)に「生活のなかで高い目的意識を持っていることは、死亡率のリスクの減少と関連している」との記事が発表されました。記事によると、人生の目的(生きがい)を持っている人は、持たない人の約5分の1の死亡率という結果でした。
健康を目的として考えるのではなく、健康を土台に、どのような人生を築いていきたいのかを考え、行動していくことが、結果として健康につながる生き方と言えるのかもしれません。
この記事を書いた人
株式会社楽志堂 代表取締役
橋本直道
横浜市立大学卒業後、(株)ユニクロを経て2013年コーチング事業をスタート。主に、経営者や個人事業主向けにエグゼクティブコーチングを行う。2018年恩師であった、(一社)コーチングカレッジ代表の逝去に伴いコーチングスクールのコンテンツ開発、企画、運営、講師として参画。 その後、プロフェッショナルプロデュース事業として、講座企画、運営、ブランディング、戦略的PRなどを手掛ける。 2021年株式会社楽志堂を設立し、代表取締役に就任。「朝起きるのが楽しい世界をつくります」というミッションのもと、同社のウェルネス事業では、国立大学法人琉球大学 国際地域創造学部 ウェルネス研究分野 産学官連携イノベーションセンターを運営。産学官連携の推進、調査・リサーチ、ブランド維持管理、ウェルネス研究分野及び荒川雅志教授のマネジメントを行なっている。 プロデュース事業では、医師、大学教授、経営者など、プロフェッショナルに特化した、戦略的PR、コンサルティング、ブランディング、教育コンテンツの開発などを行っている。
著者についてこの記事が気に入ったら
いいね!しよう
ランキング 週間 月間