新型コロナウィルスは、私たちの生活を大きく変えてしまいました。
生活、仕事、学校、旅行、人との交流など、あらゆる活動が制限され、前例のない対策がなされました。
それに伴い、リモートワーク、休校、外出自粛などの連続で、心身にも少なからぬ影響を及ぼしています。
今回のテーマは、自粛疲れを回避する「笑うこと」について取り上げていきます。
新型コロナウィルスは、私たちの生活を大きく変えてしまいました。
生活、仕事、学校、旅行、人との交流など、あらゆる活動が制限され、前例のない対策がなされました。
それに伴い、リモートワーク、休校、外出自粛などの連続で、心身にも少なからぬ影響を及ぼしています。
今回のテーマは、自粛疲れを回避する「笑うこと」について取り上げていきます。
古くから言い伝えられてきたことわざの中に、「笑う門には福来たる」という言葉があります。
このことわざの意味は「いつもにこやかに笑っている人の家庭には自然に幸運がめぐってくる」という意味です。
「笑うこと」が心身の健康に良い影響を与えるということが、近年、医学的にも証明されつつあります。
「笑い療法の父」と呼ばれている、米国の著名なジャーナリストのノーマン・カズンズ氏は、難病の一つと言われている膠原病にかかり、医者から全快する確率が500分の1と言われました。
そこで、カズンズ氏は自分で様々な医学論文を読み漁り、病気を克服するために、2つの療法を実践しました。
1つ目はビタミンCの大量摂取療法であり、もう1つは「笑い」を取り入れる療法でした。
これは、精神的な負荷の「ストレス」という言葉を生み出したカナダのハンス・セリエ博士の言葉「不快な気持ち、マイナスの感情を抱くことは心身ともに悪影響を及ぼす」がきっかけとなっています。
カズンズ氏はこの言葉にヒントを得て「ポジティブな感情は病気を快癒させる」のではないかと思いつき、四六時中「笑おう」と努めた結果、症状が劇的に軽減、数年後に全快するという奇跡が起きたのです。
他にも、診療の現場に「笑い」を持ち込み、人々の心と身体を癒す実在の精神科医パッチ・アダムス氏をモデルにした映画「パッチ・アダムス」をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
笑いと健康の関係を明らかにする研究は最近になって目を見張る速度で進展しています。
笑うことで、どのような効果が得られるのでしょうか。
以下では代表的な5つの効果についてご紹介していきます。
新型コロナウイルスの蔓延により、今まで以上に「免疫力」という言葉に注目が集まっています。
免疫機能を高めるには生活習慣の改善も勿論大切ですが、「笑うこと」による効果も見逃せません。
健康な人の体でも1日3,000~5,000個ものがん細胞が発生しています。
そのがん細胞を退治してくれているのが、リンパ球の1種であるNK(ナチュラルキラー)細胞です。
人の体には約50億個ものNK細胞があるといわれていて、このNK細胞が活性化されることで、がんや感染症にかかりにくくなると言われています。
20~62歳の男女19名に、約3時間漫才や喜劇などで大いに笑う体験をさせ、直前と直後に採血し、ナチュラルキラー細胞の働きの度合い(NK活性)を調査した研究では、以下のような結果となりました。
「直前の値が基準値(正常範囲)より低かった5人は、笑いの体験後に全員の値が上昇。
直前が基準値だった5人は、直後の検査で全員が範囲内でも特に高い数値を示している。
直前の値が基準値より高かった8人は、全員が基準値以上をキープ。
結果的に、平均レベル以下の数値だった人は、笑いの体験によって軒並みNK活性が上昇し、その変化はがん治療に使われる免疫療法薬の投与による上昇速度より、はるかに速かった。」
※「笑いと免疫能」より
緊張で身体に力が入っている時に、「笑い」が起こることによって、緊張がほぐれた経験をされた方もいらっしゃることでしょう。
「笑う」ことで得られる効果は、計り知れません。
自律神経には、体を緊張モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両者のバランスが崩れると体調不良の原因となります。
通常起きている間は交感神経が優位になっていますが、「笑う」と交感神経が促進し、その後、急激に低下することにより、リラックス効果をもたらすので、交感神経とのスイッチが頻繁に切り替わることになり、自律神経のバランスが整います。
また、「笑うこと」によって副交感神経優位の状態になり血圧が下がるということも分かっています。
笑いと血糖値の関係性について、糖尿病患者の協力を経て実験したところ、「笑い」には血糖値の上昇を抑える効果が期待できることが分かりました。
糖尿病患者の食前から食後にかけての血糖値の増加度を、糖尿病に関する講義を40分聞いた後と、ベテラン芸人による漫才を40分聞いた後で、測定・比較した結果、漫才を聞いた後の血糖値のほうが、50近く抑えられるという結果が出ました 。
そして、さらには、笑っている人ほど糖尿病が少ないという事実がわかりました。
「笑うこと」によって、脳内に幸福感を感じさせ鎮痛作用をもたらすエンドルフィンというホルモンが分泌されます。
モルヒネと同様の作用を及ぼす事から別名「脳内麻薬」とも呼ばれており、モルヒネの数倍の鎮痛作用があるとも言われています。
「笑う」と腹式呼吸になり、大量の酸素を消費します。
笑った時の酸素摂取量は、1回の深呼吸の約2倍、通常の呼吸の約3~4倍になるそうです。
ストレスを受けると脳は興奮状態になり、酸素をどんどん消費して脳細胞が酸素不足になり、働きが低下していきます。
「笑うこと」により、大量の酸素が取り込まれ、細胞が活発化して働きが上昇します。
近年では、「笑うこと」は、認知症の危険因子である、うつや睡眠不足を緩和し、認知症と関わりが深いと思われている循環器疾患の原因である心拍数や血圧の上昇を抑えることも報告されています。
「笑い」を生活に積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
笑うことは、副作用のない最高の処方箋かもしれません。
この記事を書いた人
株式会社楽志堂 代表取締役
橋本直道
横浜市立大学卒業後、(株)ユニクロを経て2013年コーチング事業をスタート。主に、経営者や個人事業主向けにエグゼクティブコーチングを行う。2018年恩師であった、(一社)コーチングカレッジ代表の逝去に伴いコーチングスクールのコンテンツ開発、企画、運営、講師として参画。 その後、プロフェッショナルプロデュース事業として、講座企画、運営、ブランディング、戦略的PRなどを手掛ける。 2021年株式会社楽志堂を設立し、代表取締役に就任。「朝起きるのが楽しい世界をつくります」というミッションのもと、同社のウェルネス事業では、国立大学法人琉球大学 国際地域創造学部 ウェルネス研究分野 産学官連携イノベーションセンターを運営。産学官連携の推進、調査・リサーチ、ブランド維持管理、ウェルネス研究分野及び荒川雅志教授のマネジメントを行なっている。 プロデュース事業では、医師、大学教授、経営者など、プロフェッショナルに特化した、戦略的PR、コンサルティング、ブランディング、教育コンテンツの開発などを行っている。
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