暮らしを豊かに はじめてみよう!アロマのある生活 〜アロマテラピーの基礎知識〜(フリーペーパー『銭湯といえば足立』より)

ふとした香りに気持ちが安らいだり、元気が出たことはありませんか。 自分の好きな香りは、心や体に働きかけ、うれしい効果をもたらします。 暮らしのなかに「香り」を取り入れ、イキイキと、より豊かな時間を過ごしましょう。
2022/04/02

アロマテラピーとは

植物から採れる香り成分「精油(エッセンシャルオイル)」を用いて、心や体を癒し、健康増進や美容に役立てていく自然療法のことをいいます。

アロマテラピーの歴史 

「アロマテラピー」という言葉自体は、20世紀初めにフランス人化学者によって作り出されました。

 

しかしそれよりずっと昔から、芳香植物やハーブ、精油等を活用した医療や美容、宗教儀式などが行われてきました。

 

紀元前3000年ごろのエジプトでは、ミイラ作りに防腐剤としてミルラ(没薬)を使い(ミイラの語源はミルラという説も)、古代ローマ時代、公衆浴場を作った皇帝ネロは、バラが好きすぎて、バラ風呂、バラシャワー、仕上げにバラの香油を体に塗るなど、バラに囲まれた生活を送っていたそうです。

 

日本でも「香り」に対する歴史は古く、仏教伝来の際、儀式に必要な「香」が、そしてそのとき身を清めるための「入浴」も日本に伝わりました(ルーツが同じなのですね)。

 

また、江戸時代に伝わった蘭方医学では、薬として精油が使われていました。

 

菖蒲湯や柚子湯といった、季節の植物を浮かべて入る薬湯も、江戸の湯屋が始まりです。

精油とは

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の花、葉、果皮、根、種子、樹脂などから香り成分を抽出した、100%天然のものをいいます。

 

精油の香りや機能は、植物によってさまざまで、私たちの心身にもたらす影響も異なります。

 

例えば、緊張感を和らげて気持ちをリラックスさせたり、内臓の働きやホルモンのバランスを調整したりといった心身へ作用するものや、細菌やウイルス、虫などに対する作用など多岐に渡ります。

 

そのときの用途や目的に合わせて精油を選び、使い分けていくのもよいでしょう。

 

 

〈精油選びのポイント〉

 

好きな香りをかぐと、本能的に心地よい気持ちになります。実はそれが重要なポイント。

 

人によって香りの好みはさまざま。またそのときのコンディションによっても変わります。

 

まずは自身の好きな香りを選んでみましょう。

 

 

〈精油の正しい選び方〉

 

なかには外見が似た芳香用の合成香料もあり、これらは“アロマオイル”などの名称で売られています。

 

精油を購入する際には、その商品がアロマテラピーに適しているかどうか確認することが大切です。

 

  • ラベルや説明書を確認しよう

原料植物の学名・抽出部位・抽出方法・原産国などがきちんと記載されている

  • 精油は光や熱に弱いため、ガラス製の遮光瓶に入っているものを選びましょう

 

〈精油を安全に使うための注意点〉

■ 原液を直接肌につけない

■飲用しない

■ 目に入れない

■ 火気に注意する

■ 子供やペットの手の届かないところに保管する

■ 直射日光を避け、冷暗所に保管する

■ お年寄りや既往症がある方は、基準の半分以下の量で試してから使用する

■ 治療中の方は、医療機関に相談する

■妊産婦や3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴以外は行わない。また3歳以上の子供でも、大人より少ない量(多くても2分の1程度まで)で使用する

9.  精油成分の一部には、日光によって成分が反応し、肌に刺激を与えたりするもの(光毒性)があるため、日中肌に使用する場合は注意が必要

※光毒性のある精油:ベルガモット、グレープフルーツ、レモンなど

〈アロマテラピー活用法〉

芳香浴

精油を拡散して香り空間を楽しみます

(例)

・ティッシュペーパーなどに精油を垂らし、デスクや枕元に置く

・アロマディフューザーやアロマポットなど、専用の器具を使って室内に拡散させる

 

 

沐浴(足浴・手浴)

お湯をはった浴槽や洗面器に、精油を数滴入れて香りと効能を楽しみます

※肌に刺激を感じたときはすぐに洗い流してください

アロマトリートメント

精油をホホバオイルなどの植物油で希釈して(薄めて)作ったトリートメントオイルを、体に塗布します。リラクゼーションに効果的です。

※希釈濃度に注意しましょう((公財)日本アロマ環境協会では濃度1%以下を目安にしていますが、肌の弱い方や顔など敏感な部位ではさらに低い濃度で使用しましょう)

※使用する前にパッチテストをお薦めします

アロマde 銭湯

アロマでワンランク上の銭湯タイムを!

・タオルの香り付け…コットンやティッシュペーパーに精油を1〜2滴垂らし、バスタオルに

挟む。湯上がり、ほのかな香りに包まれて、さらに気分アップ!

・アロマシャンプー…シャンプー基材に精油を適量入れて。よく振ってから使いましょう。

(※シャンプー100mlに対し精油10~20滴)

※精油を使用する際には、直接肌に付けたり、飲んだりしないようご注意ください。また、お子様やペットの手が届かないところに保管しましょう。(ペットがいる部屋では精油の使用をお控えください)