『減築』の定義とは?
リフォームや住み替えは、家族や生活の変化がきっかけとなることが多いです。
特に、子供が巣立つ。家族が減る。といった変化があると、かつての賑やかさは嘘のように、家の中は寂しく、広すぎるように感じられるものです。
家族が減ると、寂しいのはもちろんですが、現実的に使わない部屋ができますよね。
そんな時におすすめなのは、家を狭くする「減築」というリフォームです。
減築(げんちく)とは、住まいの床面積を減らすことを言います。
床面積を変えずに部屋数を減らすだけの工事は、減築になりません。
住まいをコンパクトにするために、階数を減らすことや、大幅に面積を減らすこと、一部分のみを減らすこと、2階の部屋を撤去して吹き抜けにすることなど、幅広い工事がありますが、結果的に床面積を減らす工事の全てが減築となります。
住まいの床面積を減らす。減築で得られる5つのメリットとは?
「減築」で、年金生活が少しでも楽になれば
広い家というのは、生活が豊かなことがひと目でわかりますので、憧れの対象になりますよね。
また、大は小を兼ねるということわざもあるように、念のため広い家にしておく方が、何かと対応がしやすいことも事実です。
そのため、減築にあらゆるメリットがあるとしても、お金をかけてわざわざ家を小さくすることに抵抗がある人が多いのが現実です。
それでも、なぜ減築が推奨されるのでしょうか?
減築で得られる5つのメリットとしては、以下のことが挙げられます。
減築で得られる5つのメリット
1.暮らしやすくなる
2.住み慣れた土地で暮らせる
3.生活の不安が解消できる
4.節約になる
5.耐震性がアップする
減築のメリット1.暮らしやすくなる
家が小さくなると、お隣との距離ができます。
そうなると、今までと比べて多くの通風や採光が住まいに得られるようになるでしょう。
また、近隣の生活音なども軽減され、比較的静かになります。
都市部の住宅密集地域では特に感じやすいメリットですね。
また、家が小さくなることで家事や生活に必要な移動(家事動線・生活動線)が短くなるため、日々の生活動作が楽になることもメリットとして挙げられます。
家が小さくなることで暮らしやすくなる。
減築の際には、このメリットを最大限に得られるように、日常的な生活の動作をイメージしながら計画をするといいでしょう。
減築のメリット2.住み慣れた土地で暮らせる
住み慣れた土地で暮らせるメリットは大きいか?
長年住みなれた土地では、コミュニティの一員として、自分たちの居場所が確立されていますよね。
住み慣れない土地に比べて、居心地の良さはもちろんですが、近隣と助け合える安心感があるはずです。
近隣との助け合いやコミュニケーションというものは、フルタイムで仕事をしていた頃よりも、家にいる時間が長くなってからの方が大切に感じられるものです。
住み替えではなく、現況の家を小さくするリフォームで減築を行えば、住み慣れた土地で暮らし続けることができます。
減築のメリット3.生活の不安が解消できる
家庭内での不慮の事故として多いのが、階段からの転落です。年を取って、家の階段を敬遠しているという方も多いでしょう。減築によって階段を無くすことで、階段からの転落事故を防ぐことができます。
また、広い家に少人数で暮らしていると、使っていない部屋に万が一不審者が侵入していても気づきにくく、盗難被害に合いやすくなります。
この場合、目の届かない部屋をなくしてしまうことで、住まいの防犯性は向上します。
必要のない部屋や、必要のない階段をなくすことで、生活で起こりうるあらゆる不安を解消することができるでしょう。
減築のメリット4.節約になる
家が小さくなると、以下の費用を節約することができます。
・生活に必要な冷暖房費や電気代などの光熱費
・床面積によって算出される固定資産税
・塗装替えなどのメンテナンス費用
毎日の光熱費、毎年徴収される固定資産税、定期的に必要になるメンテナンス費用が少なく済むことは、生活のための資金を残す意味でも、メリットになりますね。
減築のメリット5.耐震性がアップする
一般的に、建物は自重(建物自体の重さ)が軽ければ軽いほど耐震性がアップします。
建物が小さくなれば、自重も軽くなりますので、耐震性がアップすることがわかりますね。
最も効果的なのが2階を減築することですが、注意が必要なのが、1階部分のみを減築する場合です。
1階部分は上階を支える役割がありますので、減築の際には耐力壁の再検討が必要になります。
工事を依頼する際には、耐震改修工事の実績や資格を持った会社に依頼して、耐震性がアップする減築を実現させてくださいね。
まとめ:リフォームや家全体を見直すタイミングに、「減築」も1つの選択肢に。
住まいの減築の意味と、5つのメリットについてお伝えしました。
減築のリフォームは、家全体のリフォームになりますので、浴室や手すりの取り付け、断熱、段差の解消など、安全が気になる部分についても見直すいい機会になります。
減築をして安全でちょうどいい住まいを実現させることで、日々の暮らしがより豊かなものになるといいですね。