【人生100年時代のお金問題】定年後の投資入門、自宅に太陽光投資という選択。

人生100年時代。ご高齢者(シニアの皆様)が今から「太陽光投資」を検討される方のために、投資前に押さえておくべきポイントを分かりやすく解説します。
2019/03/11

「太陽光物件」の購入前にチェックするべき3つのポイント

近年、初心者でも取り組みやすい投資手段として、耕作放棄した農地などを活用した「太陽光発電設備」の運用が注目を浴びています。

 

しかし、いくら初心者向けとは言っても、誤った情報や知識のまま取り組むのは非常に危険です。事実「国が推奨する投資手段」というバックグランドの元、詐欺まがいの物件に泣いた個人投資家は少なくありません。

 

太陽光物件における売買トラブルは今も後を絶ちません。初めての太陽光投資で失敗しないためにも下記3項目のクリアチェックは必須です。

電力会社との受給契約が締結されているか

太陽光投資とは、太陽光パネルが発電した電力を電力会社が買い取ることで運用が成立する投資案件です。そのため、申請時の発電事業名義人と電力会社との間で、電力の買い取りに関する契約が締結されている必要があります。

 

たびたび、未契約にも関わらず口頭で「契約済み」と言われたことを鵜呑みにして購入しトラブルとなるケースを見かけます。各電力会社によって契約書の仕様は異なりますが、必ず確認しましょう。

経産省の「事業計画認定書」が発行されているか

電力会社との契約書と同様に、経産省から正式に「事業計画認定書(認定ID)」が発行されているかを確認する必要があります。

 

電力の「固定買取制度」がスタートした2012年7月から2017年3月までは「設備認定書(認定ID)」と呼ばれるものでしたが、2017年4月からは「事業計画認定書」が付与された発電所でなければ事業を行うことができなくなりました。

 

また、2017年3月までに取得済みの「設備認定」は「事業計画認定」への移行手続きを済ませていなければならず、その場合も経産省から改めて正式な認定書が発行されます。

長期で健全運用できる用地か

物件の検討資料がすべて整っているからといって安心はできません。検討中の太陽光発電設備を設置している、もしくは設置予定の場所へ必ず足を運び現地を確認します。

 

大雨によって土砂が流出入しやすい、外周フェンスがグラグラして不安定、隣接する竹林のせいで午前中は影が多いなど、これらは図面や写真資料では分かりません。

 

しっかりと現地確認せずに購入し、後々にトラブルを抱えてしまっては大きな損失になります。

 

可能であれば、既に太陽光投資を運用されている方や土木に精通した方に同行してもらい、現地調査をすると良いでしょう。

物件購入前にチェック!3つのポイント

物件購入前にチェック!3つのポイント

①電力会社の契約済みを証する書類はあるか?

②経済産業省からの「事業計画認定書」はあるか?

③発電所の建設用地に問題はないか?

悪質ブローカーに注意!疑わしい太陽光物件とは?

そもそも太陽光投資は、健全な投資案件というより「儲け話」として扱われやすく、今もなおブローカーから疑わしい物件を購入し訴訟トラブルになるケースは後を絶ちません。

 

例えば、1キロワットあたりの買い取り価格が36円や32円など、高単価だった時期の認定IDが付与された物件の紹介。何らかの理由で発電事業ができない認定IDにも関わらず、あたかも希少物件のように思わせ手付金や契約を急かせる手口は、悪質ブローカーの常套手段です。

 

もし、高単価物件の購入を勧められたら安易に商談を進めず、太陽光投資に精通した人に相談しながら慎重に進めるべきです。

初めて太陽光投資をする方におすすめの購入方法

では、初めて太陽光投資を検討する投資家にとって、安全かつ堅実な物件とはどのような物件なのでしょうか?

物件所有者から直接購入する

物件購入を検討するにあたり、限りなく失敗しない商談相手。それは太陽光物件の所有者に他なりません。

 

既に運用が始まっている中古物件、設備が建設済みで電力会社の連係待ちの新築物件、土地と認定IDを所有していて設備が未着工の権利物件。

 

いずれも売主がすべて所有しているのであれば、ブローカーによる詐欺まがいのトラブルとは縁遠く安心して進めることができます。ただし、前述した3つのポイントチェックは必須です。

開発会社から購入する

不動産デベロッパーのように太陽光発電施設の企画・開発会社も安心できる商談先としてお勧めできます。

 

主に資金力のある不動産会社、太陽光のパネルメーカーや商社などが開発した売り物件は、土地取得や申請関係、施工やメンテナンスまで滞りなく整理されているので融資する銀行の手続きがスムーズに運ぶ利点があります。

高い利回りより「長期堅実」に運用できる物件

当然、投資案件なので利回りは気になるところですが、そればかりに気を取られてしまうと後々痛い目にあうこともあります。他物件よりも利回りが少々低くても、20年間という長いスパンで安定して売電できる物件こそ良物件です。

 

また、発電所が自宅から近いと管理がしやすく、この点も重視したい条件です。表面利回り10%~と高い利回りを宣伝文句に販売している物件を数多く見ますが、設備や用地のトラブルがない実質利回り5%程度の物件のほうがはるかに良物件と言えるでしょう。

まとめ:悪質業者も多いので、投資経験者の意見を参考にする

太陽光投資はサラリーマンをはじめ、投資初心者にとって取り組みやすい投資手段であることは間違いありません。

 

しかし、無知のまま手を付けてしまうと悪質なブローカーの餌食や、予定していた投資効果が得られずに手放してしまうなどの事態に陥ってしまいます。

 

購入の検討をする際は、必ず上記で解説した注意ポイントを押さえ、可能ならば投資経験者の意見を参考にしながら、決して焦らず慎重に商談を進めると良いでしょう。