【人生100年時代、シニア期の過ごし方】「シニア世代の幸福観を考える」そもそも“幸せ”とは何か?(終活はじめの一歩)

子供も巣立ち、定年を迎え、時間もお金も余裕が出てくる“シニア世代”。ふと、あることに気づきます。   「幸せとは何か…」   子供を育てるため、一家を支えるために、がむしゃらに働いていた頃には気づかなかった。しかし、余裕の出てきた今だからこそ気づく「幸せ」について。   「自分の幸せとは何か…」「後悔しない人生とは何か…」   そこで今回は、シニアの皆様に向けた、自分のための人生を生きるための“幸福観”について解説したいと思います。
2019/03/15

シニアと呼ばれはじめた今、“幸せ”について考えてみる

子育ても終わり、晴れて定年を迎えたシニア世代。これから自分の人生を迎える今だからこそ「幸せ」について考えなくてはなりません。

 

そもそも「幸せ」とは何でしょうか?一般的な定義として、以下があります。

一般的な「幸せの定義」

お金があること

パートナーや家族がいる

趣味をしている時

幸せの定義とは

しかしこれは、すべて「外部環境」によるものとわかります。実は、「外部環境」が幸福度を左右するのは、10%ほどと言われています。

 

では、残りの90%は何かと言えば「内部環境」です。

 

内部環境とは、自分の「心の状態」のことです。「心の状態」が良ければ、仮にお金がなくても、家族がいなくても、趣味がなくても「幸せを感じられる」のです。

 

この内部環境を充実させるには、3つのポイントがあります。

①許容する

②感謝する

③気づく

「許容する」とは、自分に対しても、他人に対しても「許す」ことです。自分の弱さ、ズルさや、他人にされた嫌なことなどを許すことで、不幸な思いを断ち切れます。

 

「感謝する」とは、人のいいところを探して「感謝する」ことです。どんな些細なことでも、感謝すべきポイントを探すことで、幸福感を得られるのです。

 

「気づく」とは、「今」幸せであることに気づくことです。住める場所がある、食べる物があるなど、今の状態に気づくことで、幸福感を得られます。

 

シニア世代は競争社会の中で生きてきたので、「どれだけ稼いだか」「どれだけいい生活ができているか」など、外部環境ばかりを重視します。

 

しかし、本当の幸せとは「内部環境」に存在するので、この3つのポイントを押さえることが重要です。

 

なぜ“不幸”と感じるのか?

「幸せ」を考える時、対極にある「不幸」を考える必要があります。なぜ人は、不幸を感じるのでしょうか?不幸を感じる理由を2つ解説します。

①不幸を感じるようにできている

「不幸を感じるようにできている」とは、不幸を感じるのは人間の本能だからです。農耕が始まる前の大昔、草木も枯れ、動物も冬眠に入る「冬」をどう生き延びるか命がけでした。

 

「食べ物が無くなったらどうしよう」と本能的に感じ、それを解決する方法を探さなければ、死を意味するのです。

 

この思考が長年の歳月をかけ、私たちの遺伝子に組み込まれているので、「○○だったらどうしよう」という“不幸を考えるようにできている”のです。

 

不幸を考えることは、私たちの防衛本能だったのです。

②幸せに必要なものだから

実は「不幸」は幸せに必要不可欠なものです。

 

なぜなら、幸せとは「比べなければ」感じられないからです。人は不幸を経験しているから、幸せを感じられます。

 

お金に苦労したことがない人は、お金に困ったことがないので「お金の有難み」を感じられません。お金に苦労したことがある人は、お金がないことで困った体験をしているので、お金の有難みを知っています。

 

そして、またお金を手にしたとき、「お金があることは幸せ」と気づけるのです。

 

つまり、「お金がない時」と「お金がある時」を知っているから、比べることができ、幸せを感じることができます。

「家族が増えていく」という最高の幸せ

シニアの“幸福観”を築く3つのステップ

では、これから自分の人生を生きるシニアにとって、どんな「幸福観」が必要となってくるのでしょうか?

 

それは、次の3つのステップを踏みます。

ステップ1 オリジナルの“型”をつくる

ステップ2 この“型”を満たす

ステップ3 “型”から溢れたものを“お裾分け”する

「オリジナルの“型”をつくる」とは、自分のやりたいこと、個性などが反映された自分なりの価値観のことです。そして、この“型”を満たすための行動をします。

 

行動して、型が満たされ、そこから溢れたものを他人にお裾分けするのです。

 

「旅が好き」「新しいもの好き」「好奇心旺盛」という価値観があれば、「定年後は旅をしながら、様々な出会いを重ねる」という“型”が出来上がります。

 

そしてこの“型”を満たすために、外国語を習得したり、海外の知識や旅のノウハウなどを勉強したりと行動します。そして、実行し、この“型”から満たされた知識やノウハウを他の人にアウトプットするのです。

 

ポイントは、これら3つの「過程自体が喜び」であることです。

 

これは、意識が他人の目ではなく、「型」に向かっている状態です。他人と比較したり、世間体を気にしたりするのではなく、あくまで自分が没頭してしまうことに「喜び」=「幸せ」があるのです。

 

この3つのステップを踏むことが、残りの人生を楽しむためのコツなのです。

まとめ:自分にとっての幸福とは何か。あらためて考えてみる。

国連が毎年発表している「世界幸福度ランキング」によると、2018年、日本は156ヵ国中、54位と先進国では下位に位置する結果となりました。治安も良く、衣食住にも困らないこの国は、なぜ幸福度が低いのでしょうか?

 

その原因は“幸福観”が乏しいことにあります。

 

“シニア世代”も他人ごとではありません。逆に日本の人口、約3割のボリュームゾーンを占める“シニア世代”だからこそ、考えるべき課題と言えます。