【人生100年時代、シニア期の過ごし方】断捨離の進化系『ミニマリスト』で定年後に身軽になってみる。(終活はじめの一歩)

人生100年時代、老後の過ごし方として終活に取り組むことが一般的になりつつあります。 中でもものの整理は簡単に始められる終活として行っている方が多いと言われていますが、 ミニマリストという言葉をご存知でしょうか。 ブリタニカ国際大百科事典では「最小限綱領派」と訳される、持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人のことです。
2019/03/14

モノがあふれる時代に登場した断捨離

「もうすぐ引っ越しするので断捨離中!」とか「老齢の両親が住む実家の断捨離を始めました!」など、すっかり浸透した断捨離というコトバ。

 

平成22年(2010年)に作家のやましたひでこさんが提唱して以来、ひんぱんにTVや雑誌で取り上げられるようになりました。

現在では、国語辞典にも「断捨離」の単語が掲載されているほど。

 

断捨離というコトバの本来の意味は、家の中にあふれかえった不要なモノを減らし、生活に調和を取りもどそうとする考え方のことです。

 

モノを手に入れることが幸せという時代から、心や精神性を優先する時代へと変化していく中で、生まれるべくして生まれた考え方が断捨離といえるかもしれません。

モノを捨てる断捨離から、モノを持たないミニマリズムへ!

そんな中、あふれるモノを捨てる断捨離ではなく、最初からモノを持たないという考え方をする人たちが登場しています。断捨離の進化系ともいえる「ミニマリズム」を実践する人たちです。

 

「ミニマリズム(Minimalism)」の本来の意味は、アートや音楽、建築、生活スタイルの中で、最小限の要素だけを残して表現したり暮らしたりする最小限主義のこと。

 

最近では、最初からモノを持たない、厳選したモノだけを残す、極限までミニマル(最小限)化した生活スタイル=ミニマリズムと認識されることも多くなっています。

 

ミニマリズムを実践している人たちは、「ミニマリスト」と呼ばれています。「ミニマリスト」の単語をネットで検索にかけてみると……。男性・女性、既婚・独身などの属性を問わずに、ミニマリズムを実践する人たちのブログがたくさん出てきます。

シンプルな生活のススメ

11着の洋服と4足の靴で暮らすミニマリストしぶさん

以前は部屋中が荷物でいっぱいの汚部屋(おべや)に暮らしていたけれど、モノを捨てる断捨離を実践。徹底していくうちに、モノを持たないミニマリストになっていたというミニマリストしぶさん。

 

衣類は11着の洋服のみで、カーテンをつけない4畳半のコンパクトな部屋で暮らしています。厳選したモノだけを残した結果、現在の所有物は219品目になったのだそう。この219品目は、小物やキャッシュカードまですべてを数えた上での数字なのだとか。

 

一般家庭なら、キッチンだけでも200品目を超えることもあるでしょうし、趣味で集めているモノや本だけでも軽く200を超過するという人も多いのでは? それを考えると、ミニマリストしぶさんの219品目は、厳選の上に厳選を重ねた結果なのだと容易に想像できます。

 

洋服は毎日同じコーディネート、食事は毎日同じメニューを1日1食のみと徹底しているミニマリストしぶさん。ミニマリストしぶさんの目指すところは、「お金は最低限だけ、暇な時間と精神的ゆとり」を最優先した暮らしなのだそうです。

 

ちなみに、毎日のスケジュールも空白を多く残すことを優先しているのだとか。生活すべてをミニマル化することで、時間と心のゆとりを生み出しているのですね。

参考:ミニマリストしぶのブログ

モノを減らして自由になった佐々木典士さん

モノを減らしたことで、人生そのものが軽く行動的になったという「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」の著者佐々木典士さん。

 

元編集者という職業柄、本や資料などに埋もれて暮らしていたそうですが、ある時期に徹底して荷物を整理。モノがないことで自由を得られたと発言しています。自由を得た結果、どんどんあたらしいことに挑戦する気持ちの余裕と行動力を手に入れたのだそうです。

 

佐々木さんが昼食用として用意する玄米弁当の中身は、毎日同じメニュー。現在はフリーランスながら、1日のスケジュールを決め、日課をルーティン化したミニマルなスケジュールで暮らすことを心がけているのだそうです。

参考:Minimal&ism

家事をミニマル化して時間を作り出したマキさん

マキさんは、仕事を持ちながら子育てをする主婦。これまで当たり前とされていた家事のミニマル化を実践しています。

 

掃除を楽にするため家具は最小限に、モノを少なくしたり作業の工程を省いたりすることで家事の時短を実現しています。

 

たとえば、ブロッコリーは、包丁で切らずに両手で小さくちぎっていく、朝食は火を通さないで作れるワンプレートにする、洗濯物はたたまないで収納する工夫をするなどです。

 

これまで当たり前とされていたけれど、やらなくてもいいのでは? と気づいた家事をやめたり手順を単純化したりと、工夫を重ねることで時間の余白を作り出しているのだそうです。

エコナセイカツ
和室もすっきり

精神の自由につながるミニマムな暮らし

ほかにも、注文住宅や車を手放し、家族で小さな賃貸に暮らす選択をしたミニマリスト主婦、私服を制服化することによって、毎日の洋服選びの時間を節約することに成功した人など、これなら真似できそう~という人から、ここまでやるの? という人まで、多彩なミニマリストが存在しています。

 

多くのミニマリストが口にしているのが、モノを持たないことによって物理的にも精神的にも自由になった、生活がシンプルに楽になった、悩みが少なくなった、ムダな出費が減ることでお金を貯めることができたという発言。

 

その徹底した態度を知ると、断捨離すらできないのに、ミニマリストなんて到底ムリ! と拒絶したくなる人もいるかもしれません。

 

けれども、モノに埋もれて暮らすのはもうイヤだ! 今の複雑な生活スタイルを変えたい! 人生をシンプルにしたい! と感じている人には、参考になる部分があるかもしれません。