腕立て伏せと心臓病
腕立て伏せの回数と心臓発作には関係があった!
そんな研究発表が2019年2月、JAMAという
米国医師会雑誌に掲載されました。
Association Between Push-up Exercise Capacity and Future
Cardiovascular Events Among Active Adult Men
というタイトルで、
日本語訳にすると、
「アクティブな成人男性における腕立て伏せの能力と
心臓血管疾患のリスクとの関連について」
の報告でした。
この発表は、2000年から2010年の約10年間を追跡調査したもので、
対象は平均年齢は39.6歳のアメリカの男性消防士1104人。
やりかたは、毎分80回のペースで腕立て伏せを開始してもらい、
何回できたかを記録するものです。
健康増進のための腕立て伏せで心臓発作を防ぐ
腕立て伏せテストからわかったこと
この研究の結果、腕立て伏せを41回以上できた人は、
10回以下しかできなかった人に比べ、
その後の心臓血管病の発症リスクが
なんと96%も低下していたことがわかったのです!!
心臓血管病とは、心筋梗塞や狭心症、心不全、心臓突然死などをさします。
このリスクは腕立て伏せの回数が10回以下の人と比べて、
11~20回の人の方が64%、21~30回の人の方が84%、
31~40回の人の方が75%と徐々に減少していました。
腕立て伏せの能力と将来の心臓病のリスクが関連していたとはまさにおどろきの報告です。
しかも、この研究結果は、腕立て伏せの能力が高い方が
より心臓病の発症リスクが低いことを示していますので、
たとえ41回できなくても少しでも多くできれば
心臓病にはなりにくいということなのです。
また、参加者たちは腕立て伏せ以外にも、ランニングマシーン等を用いた
通常の運動負荷検査も受けていましたが、運動負荷検査と心臓病発症リスクと、
腕立て伏せと心臓病発症リスクがほぼ同様の結果だったのです。
つまり、心臓の能力を調べるのに、
わざわざランニングマシーンを使わなくても
腕立て伏せで代用できる可能性が出てきた、ということを意味します。
人生100年時代に欠かせない健康づくり
この研究から応用できること
研究チームはこの結果を踏まえて、次のように語っています。
1・腕立て伏せは、中年男性の運動機能を簡易的に測定するのに非常に役立つ
2・しかしながら、対象のかたが平均40歳の男性消防士に限られた話なので、さらに研究が必要と考えられる
そのため、研究のタイトルも、対象を
活動的な成人男性(Active Adult Men)の中での話、と言っています。
さて、あなたは腕立て伏せが何回できますか?
たとえ、今は腕立て伏せが10回以下しかできない、
いやいやたった1回でつぶれてしまうとしても、
将来の心臓病を減らすために、
心臓トレーニングとして腕立て伏せを
さあ、始めてみませんか?
人生後半を楽しむためには
健康を維持することが最重要です。
日々のトレーニングで
人生100年時代を生き抜きましょう。
健康増進のための心臓トレーニング