新しい品種が私たちを楽しませてくれる、苺の世界
この時期旬の苺。
苺と言えば子供からご高齢者の方々まで嫌いだと言う人を聞いた事がない、あの真っ赤な甘酸っぱいフルーツですよね?ビタミンCが豊富でインフルエンザ等が流行るこの時期にはたっぷり摂りたい食材でもあります。
実は苺は統計上は野菜に分類されるのですが、その話はおいておいて、最近は沢山の新しい品種が生まれ、苺と言ったら赤いとは限らないんです。
1980年代頃までは苺の品種と言ったら東の「女峰」西の「とよのか」と言われていました。今は栃木の「とちおとめ」福岡の「あまおう」静岡の「紅ほっぺ」等が有名ですね。
今回は、まだあまり知られてない、お勧めの二種類の苺をご紹介しようと思います。
収穫量は栃木県が一位(2017年収穫量農林水産省統計データ)なのですが、実は茨城県は数多くの新しい品種の苺を生み出しています。
研究学園都市として有名なつくばに国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構がある事が大きいようです。
そして今回ぜひ知って頂きたいのは
『桃薫(とうくん)』と『いばらキッス』の二種類です。
桃の香りが漂う不思議な苺『桃薫(とうくん)』
『桃薫(とうくん)』はその名前からお分かり頂けると思いますが、桃のような甘く芳醇な香りが漂うようすをイメージして命名されたようです。
桃やココナッツ、カラメルのような独特の甘い香りと淡く優しい桃のようなピンク色で丸みあるコロッとした容姿で、真っ赤な苺のイメージとはかなり違っています。高級贈答用としても注目を集めています。
頬張ると苺なのに桃?を食べているような何だか不思議な気持ちになります。食べて頂かないとこの感覚は分かって頂けないかもしれません、、
甘味はあっさりとしていますので、デザートとしてだけでなく、生ハムを巻いて頂くと、塩気が甘さを引き立て、芳醇な香りがハムの風味を複雑な旨みに変えてくれます。
ワインとも合う、大人の一品になりますよ。塩気がしっかりした生ハムの方が合うと思います。
「桃薫」色も少しだけ桃に似ているような・・・
収穫後すぐの桃薫
茨城のオリジナル品種『いばらキッス』
そしてもう一つは、茨城県オリジナル品種である『いばらキッス』こちらは対照的に真っ赤な苺らしい苺です。
「とちおとめ」と「ひたち1号(レッドパール×章姫)」を交配して作られ、糖度が高く、最大の特徴は甘味と酸味のバランスが良く、適度な硬さで、口に入れた時に濃厚な果汁がお口いっぱいに広がります。
少し細長く、赤い色が濃いので、ケーキやタルト等のスイーツにアレンジしても、生クリーム等に負けない苺らしい風味が味わえます。
真っ赤に実る「いばらキッス」
新品種の苺には、どこで出会えるの?
もうすぐホワイトデーですが、有名どころのスイーツ等食べ慣れた大人女性に、大粒の「桃薫」と「いばらキッス」の詰め合わせなんて贈ったら、喜ばれる事間違いありません。と言うか贈られたいなぁ~っと思う今日この頃です(笑)
でも、そんな珍しい苺どこで手に入るんだよ、とお思いですよね。
私のイチオシはつくばのむつみ農園さんです。
むつみ農園の酒井さんご夫婦は『桃薫』や『いばらキッス』をはじめ販売用には15種類程、研究用を含めるとなんと25種類もの苺を育てているスペシャリストです。
『桃薫』は引っ張るとヘタが取れやすい繊細な苺で、収穫の際にも細心の注意をはかり、はさみでツルを一つづつ切り、丁寧に収穫されるから、出荷まで一度も素手で苺を触らない徹底ぶり。
だからむつみ農園の苺はツルが付いた可愛らしく美しい苺です。そして早く赤くさせようと無理に温度を上げたりしないので、美味しい苺が育つのだと言います。
毎週水曜日、昼頃から夕方まで、新橋駅鴉森出口近くの港区生涯学習センター「ばるーん」広場で酒井さんご夫婦がその朝(朝と言うより夜中からですが)採りたての完熟苺を直売されています。
都内でむつみ農園の苺が酒井さんから直接買える唯一の場所です。4月末か5月上旬までです。
但し常連客が多く、その場で詰めてくれるので行列になってしまうので、時間に余裕をもっておでかけくださいね。
また、売り切れゴメンなので、初めての方は昼すぎくらいまでに行かれることをお勧めします。
いちご畑
1つ1つ丁寧に。