赤ワインブームの火付け役「フレンチ パラドックス」とは?
「フレンチ パラドックス」とはフランスのボルドー大学の科学者であるセルジュ・レナウド(フランス語版)博士の造語です。
1993年に発表された研究結果なのですが、その発表によって、フランス人は脂肪摂取量が多いにも関わらず、心臓病の発生率が低いという逆説的な現象が示されました。
1つの理由として、フランス人は赤ワインの消費量が多いことが挙げられ、それをきっかけに日本では赤ワインが大ブームとなりました。
「フレンチ パラドックス」の発表以前、つまり1993年以前の日本では、赤ワインの消費量は白ワインに比べて高くありませんでしたが、このブームにより赤ワインを飲む人が一気に増加しました。
赤ワインに多く含まれている「ポリフェノール」が、低い心臓病発生率の一因と考えられたのです。
「赤ワインと健康」と聞いて一番に思い浮かぶ「ポリフェノール」の正体は?
お肉料理に合う赤ワイン
ポリフェノールとは、抗酸化作用を持つ化合物であり、アントシアニンやタンニン、カテキンなどもポリフェノールの一種として知られています。このポリフェノールは、野菜や果物にも多く含まれています。
前述したとおり赤ワインにはポリフェノールが豊富に含まれています。
赤ワインに含まれているポリフェノールの中でも、「プロアントシアニジン」が強い抗酸化作用が期待できると言われています。
どうしてポリフェノールは、白ワインよりも「赤ワイン」に多いの?
白ワインor赤ワイン?
同じワインと言っても、赤ワインと白ワインは製法が違います。
赤ワインは、黒ブドウを使用して、果皮や種ごと醸造を行うため、果皮や種からも成分が抽出されます。
一方白ワインは基本的に、果汁のみで醸造を行うため、果皮や種との接触時間が短く、それらからの成分はあまり抽出されません。
ポリフェノールは、ブドウの果皮や種により多く含まれています。
そのため赤ワインの方が白ワインよりも、多くポリフェノールが含まれるのです。
赤ワインの中でもポリフェノール含有量の多いブドウの品種は?
タンニンもポリフェノールの一つなので、タンニンがしっかりとした赤ワインは、ポリフェノールが多く含まれています。
赤ワイン用のブドウ品種で言えば、以下のものがポリフェノールが多く含まれています。
ポリフェノールが多く含まれるブドウ品種
カベルネ ソーヴィニヨン
テンプラニーリョ
ネッビオーロ
ポリフェノールと「抗酸化作用」と「活性酸素」の関係
ポリフェノールがもつ抗酸化作用によって、血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぐことが出来ます。
悪玉コレステロールは、活性酸素により酸化されることによって動脈硬化の原因になることがあります。
活性酸素は、体にとって必要な働きもしているのですが、成人病や老化の原因にもなってしまいます。
前述したプロアントシアニジンは、その活性酵素を効率よく消去することが出来るのです。
赤ワインと「美容」「アンチエイジング」
活性酸素は、肌にシミやシワをつくる原因としても知られています。
そのため赤ワインを飲み、プロアントシアニジンを摂取することにより、心臓病の予防になるだけでなく、美容やアンチエイジングにも良いということになります。
また美容において、ポリフェノールに属するレスベラトロールという分子も注目されています。
ブドウの果皮に含まれる「レスベラトロール」とは?
レスベラトロールも、ブドウの果皮に多く含まれています。
レスベラトロールを摂取すると、肌のシミやシワなどの予防に効果があり、肌の健康を保つことが出来ます。
またレスベラトロールは、長寿遺伝子と呼ばれているサーチュインという分子群を活性化させることが判明しており、寿命を引き延ばす効果があるのではないかと注目されています。
ワインが持つ殺菌作用
ワインには殺菌作用もあります。
ワインを飲むことによって、大腸菌を死滅させることができたり、感染症防止にも効果があると言われています。
ワインにおける殺菌作用は、ポリフェノールではなくリンゴ酸や酒石酸によって示されています。
赤ワインにおいては、リンゴ酸は乳酸に変化しているものが多いため、白ワインのほうが強い殺菌作用を示します。
まとめ:赤ワインからは、ポリフェノールのもつ利点が得られる
赤ワインのポリフェノールの効果は絶大
このように赤ワインは、美容や健康に良い影響を与えています。
ワインはお酒では珍しく体内ではアルカリ性に働くため、お肉ばかり食べてしまい、体が酸性に傾いたものを調整する効果もあります。
ワインだけでなく、お酒を飲むことによって様々な利点があります。
お酒を飲むことでストレス解消ができたり、アルコールの利尿作用によってデトックス効果を高めることも出来ます。
しかしいくら体に良いとは言っても、飲み過ぎてしまうと逆効果です。
飲みすぎてしまうと、肝臓病や高血圧の原因となってしまうことがあるからです。
そのため自分自身に合った適度な酒量を守り、赤ワインを楽しみましょう。