歯が残っていると、健康的な老後が送れる理由
人生100年時代。人生の後半(定年後、老後)は丈夫な歯とともに
口の中に歯が残っていると、老後の健康寿命が延びるといわれています。
健康寿命とは、「介護や医療に依存することなく、自分の力で日常生活を送れる期間」のこと。
世界の中でも長寿国といわれる日本ですが、同じ寿命を全うするにも、寝たきりの状態で過ごすのと、自立して毎日を過ごす場合では生活の質が異なりますよね。
実は歯の数が多いほど、健康寿命を長くすることが期待できるとされています。歯の数と健康寿命に関連があることに不思議に思う方もいるかもしれませんが、具体的な理由は以下のようになります。
栄養バランスのよい食事になる
歯が健康でしっかりと食べ物がかめれば、それだけ食事の栄養バランスが整いやすくなります。
歯が悪かったり歯の数が少なかったりすると、野菜や果物などかむ力を必要とするものを敬遠しがちになります。
反対に、柔らかくて食べやすい物が中心となることで、食事の栄養バランスが偏る可能性があります。
痴呆の予防になる
歯の数が多ければ、食事だけでなく会話もスムーズになります。
会話や食事を楽しむことで、周囲の人とのコミュニケーションが円滑になり、それだけ外出の機会も増えるでしょう。
また、食べ物をよくかむことで脳が刺激されるので、痴呆になるリスクを下げることができます。
全身の病気の予防につながる
歯を失う原因で最も多いのは、歯周病です。
歯周病は成人の8割がかかっているといわれています。
歯周病の症状が進行することで、炎症している部分から作られた物質が全身の臓器へ悪影響を与えることが分かっています。
日頃から8020(ハチマルニイマル)運動を意識しよう
80歳になっても、自分の歯を20本以上維持しよう
8020運動とは、「80歳になっても、自分の歯を20本以上維持しよう」というもので、日本歯科医師会によって推進されています。食後の歯磨きはもちろん、定期的に歯医者でクリーニングを受けることは、自分の歯を保つのに役立ちます。
すでに自分の歯の数が20本以下という人でも、入れ歯などで口の機能をしっかりと保つことで、同じくらいの健康効果を期待できます。
健康的な生活を末永く送るためにも、歯の健康について意識していきたいですね。