着付けに必要な小物が多いワケ
ここ最近、男女問わず着物姿で街を歩く人が多くなったと思いませんか。
美術館などでも、よく見かけます。民族衣装だし、着てみたいとは思うけど着物屋さんに入るには敷居が高いし、インターネットではよくわからないという方がほとんどではないでしょうか。
着物や帯以外にも着付けに必要な小物もたくさんあるし、全てそろえると、いくらかかるのかも不安ですよね。
そもそも、着付けに必要な小物がたくさんあるのはなぜなのか、そんなに必要かという疑問があると思います。
その理由の一つは、洋服と着物の作り方の違いにあります。
洋服は体の線が出るようにダーツなどで立体的に作られているので、腕をとおしてボタンを留めれば誰でも着ることができます。
一方、着物はほとんどが直線で縫ってあるので、たたむと平になります。凹凸がある体に直線縫いの着物を着るには体の凹凸をなるべくなくす必要があります。そうしないと、動いているうちに崩れてきてしまうからです。
そのために、タオルをウエストに巻き、胸にサラシを巻くか和装用ブラをするなどして凹凸をなくします。
着物は、着るというよりも包む感じに近いかも知れません。
また、着物はボタンやファスナーの代わりに紐で処理していくので、その時に締めた位置などによって仕上がりが違ってきます。
洋服は縫うことで完成しているのに対して、着物は着ることで完成すると思います。
着付けに必要なモノ
着付けに必要なもの
それでは、着付けに必要ものはなにかですが、その前に着物や帯、草履、バッグなどは着ていく場所によって違ってくるTOPのお話を少しだけしますと、
洋服も改まった席はスーツなどを着るでしょうし、映画やショッピングは好きな洋服を着て行きますよね。
ここでは、映画やショッピングに行くカジュアルな着物の事なので、帯は名古屋帯とします。
帯は、通常胴に2回巻いて後ろでお太鼓を作りますが、お太鼓が二重は正式な祝いの席、一重はその他です。めでたい事が重なるようにという意味がこめられています。長さや豪華さも違ってきます。
着物もカジュアルは小紋という型染めがいいと思います。(プリント柄のようなイメージ)
着付けに必要なものは大まかに以下です。
着物(小紋など)
長襦袢(着物の下に着る。上下別れているものもある)
帯(名古屋帯)
帯締め(帯を締める紐)
帯揚げ(帯枕を包み、前で留めて帯の上に少し見えるようにする)
草履(金銀のないもの。小判型が履きやすい)
着付け小物
「着付け小物」は以下のようなものです。
・足袋(足袋靴下でも大丈夫)
・裾除け、肌襦袢(肌着)
・衿芯(長襦袢の衿に入れて衿をビシッとさせる)
・伊達締め(衿がずれないように長襦袢と着物2本必要)
・コーリンベルト(衿左右をつまみ衿がはだけないようにするもの。あった方がラク)
・紐(4本くらい)
・帯板(帯の内側に入れて帯をビシッとさせる)
・帯枕(お太鼓を作る時、帯の山に入れる)
・腰パット(タオルで代用できるがあった方がラク)
・タオル3本くらい(ウエストなどに巻く)
着付け小物は、タオル以外セッにもなっています。
以上がカジュアル着物を着るときに必要なものです。
ちなみに、これらは女性の場合ですが、男性の場合は、足袋、下着、長襦袢、着物、帯、紐、雪駄です。
着付けの練習は浴衣から始めるとラク
浴衣からはじめる着付けの第一歩
着付けの練習を始める時、浴衣からスタートするとなぜラクなのかというと、着物を着るときに比べて使うものが少ないからです。
浴衣の場合、長襦袢がいりません。帯も半幅帯でいいので、帯枕、帯揚げ、帯締めも要りません。半幅帯とは、通常の帯の半分の幅でできています。
着物の着方は一緒なので、コツをつかむまで浴衣で練習するとストレスが少なく習得できると思います。
ただ、浴衣の季節は夏なので、着られるようになっても夏以外は着て歩けません。そういう時は、すぐに着物の練習に移って下さい。浴衣が着られれば、着物は難儀しないで済むと思います。
着物は買わずにレンタル体験からのスタートもアリ
着物を着るって色々用意しなければいけないし、大変そう、と思いましたか。それとも、個性が出て面白そう、と思いましたか。
大変そうと思った方も、面白そうと感じた方も、着物を用意する前に、一度レンタル着物を体験すると着物を着た感じが分かると思いますよ。
京都や鎌倉だけではなく、今は観光地以外でも気軽に体験できるのでお勧めです。
午前中から夕方まで3000円くらいからあるので、探してみるのも楽しいかも知れません。
中には、地域おこしとして、例えば、結城紬の産地、小山市などでは着付けてくれて、夕方4時まで無料で貸してくれるという事もしています。あの高価な結城紬をタダで着せてもらえるなんて素敵じゃないですか。
中には、夕方4時までに返せばいいので、浅草に行ってきたというツワモノもいます。
着物は、身近なものではなくなってしまいましたが、最近あちこちで自由に着物を楽しむ姿を見かけると、着物の無限の可能性を感じたり、民族衣装が着物である喜びを感じたりします。着物に少しでもかかわるとそう思うかもしれませんよ。